雄略天皇(十二)宍人部・膳臣長野は宍膾を上手に作る

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雄略天皇(十二)宍人部・膳臣長野は宍膾を上手に作る

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現代語訳

皇太后と皇后はその経緯を聞いてとても恐れました。倭の采女(ウネメ)の日媛(ヒノヒメ)に酒を捧げさせて天皇を迎えさせました。天皇は采女の顔が美しく端正で雅やかであるのを見て、すぐに嬉しそうになって言いました。
「どうして、わたしはお前の素晴らしい笑顔を見たいと思わないのだろうか?」
手を組んで後宮に入りました。そして皇太后に言いました。
「今日の遊猟(カリ)にたくさんの鳥獣を獲た。群臣と鮮(ナマス)を作って野饗(ノアエ=野外での宴会)をしようと思って、群臣に順に問うたが、答えられるものはいなかった。それで朕(チン)は怒ったのだ」
皇太后はこの詔(ミコトノリ=天皇の発言・命令)の真意を知って、天皇を慰めようとして言いました。
「群臣は陛下の遊猟場(カリニワノアソビ)で、宍人部(シシヒトベ)を置こうとして、群臣に問うたとは分からなかったのです。群臣が黙っていたのはそういう理由なのです。また、答えるのも難しいでしょう。かといって今から(宍人部を)献上するのも遅いというものです。そこでわたしが最初に献上しましょう。膳臣長野(カシワデノオミナガノ)はよく宍膾(ナマス)を作ります。願わくば、これを献上いたしましょう」
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解説

日媛の意味
日媛は美人で、酒を持って天皇のご機嫌伺いをしたわけです。ところが天皇は美人だなと思いつつも、「今日はなんか違うんだよなぁ」と後宮に行ってしまいます。
これは雄略天皇が「神」に近い存在であったことを示しているんではないでしょうか? 日媛は明らかに「巫女」です。日本人は神を恐れ敬い、それで食べ物や酒を神に捧げて機嫌をとります。そうして天変地異を防ぎ、五穀豊穣を願うのが日本人の神との接し方です。日媛と雄略天皇の関係は巫女と神の関係そのものです。
つまりそれまでの天皇と雄略天皇はポジションに違いがあるのです。あくまで神を祀り、神の代行者であって天皇から、神そのものへの移行が図られた、それが雄略天皇ではなかったか?と。
宍人部
物語のニュアンスで考えると「動物の肉を調理する人のグループ」ということになる。しかも動物の肉を「ナマス」で食べたということは生肉を食べたということ。

もしかすると「生きた肝」は「死んだ」とは考えていなかったのかもしれない。生きているから「死穢(=死の穢れ)」にはまみれていない、とか。
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原文

由是、皇太后與皇后、聞之大懼、使倭采女日媛舉酒迎進。天皇、見采女面貌端麗形容温雅、乃和顏悅色曰「朕、豈不欲覩汝姸咲。」乃相携手、入於後宮、語皇太后曰「今日遊獵、大獲禽獸。欲與群臣割鮮野饗、歷問群臣、莫能有對。故朕嗔焉。」皇太后、知斯詔情、奉慰天皇曰「群臣、不悟陛下因遊獵場置宍人部降問群臣、群臣嘿然理、且難對。今貢未晩、以我爲初。膳臣長野能作宍膾、願以此貢。」
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