位を譲る億計は高ぶり涙を流す

MENU
TOP>顕宗天皇(日本書紀)>顕宗天皇(十)位を譲る億計は高ぶり涙を流す

顕宗天皇(十)位を譲る億計は高ぶり涙を流す

TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket

現代語訳

皇太子の億計(オケ)は言いました。
「白髪天皇(シラカノスメラミコト=清寧天皇)はわたしが兄であるという理由で天下の仕事を、まずわたしにつけました。わたしはそれを恥ずかしく思うのです。推測するに大王(ミコ=顕宗天皇のこと)が最初、巧みに遁(ノガ=逃が)れることを決めた。その話を聞いた人は歎息(ナゲ)いた。帝孫(キミノミコハナ=天皇の子孫)であることを明らかにしたとき、見た人は殞涕(カナシ)みました。憫々搢紳(ウレエタルウマヒトノコ=心配していた官僚たち)は喜び、天を頂く喜びを感じました。哀々黔首(カナシビタルオオミタカラ=悲しむ百姓・人民)は喜び土を踏む恩恵に感じました。よく四方を固めて、長く万葉(ヨロズヨ=万世)に盛えるでしょう。その功績は世界を造物した存在に近く、清らかな政策は世を照らすほどだ。遠い。はるか遠いことだ。この素晴らしさを名付けることはできない。兄といえども、どうして先に表立って天皇位につけるというのか。功がないのに表立って天皇位についたならば、必ず咎悔(トガクイ=後悔)するだろう。わたしは聞く。天皇を長く空位にしておくべきではない。天命を譲り拒絶するものではない。大王よ、社稷(クニイエ=国家)を運営し、百姓を心としたまえ」
皇太子の億計王は言葉を発しているうちに激しく感情が高ぶって、涙を流してしまいました。顕宗天皇は表立つべきではないと思っていましたが、兄の意に逆らうべきではないとも思い、願いを聞き入れることにしました。しかし、天皇位にはつきませんでした。その時代の人たちは誠意を持って譲り合う様子を
「宜しきかな。
兄弟が打ち解けて喜びあい、天下にその人徳が広がる。親族が真面目につながっているときは民に仁愛が起こる」
と言いました。
Pre<<<  >>>Next 
スポンサードリンク

解説

而不卽御坐
を「天皇位につかなかった」と書いたのですが、正しいか不安。ちなみに後には大臣・大連に求められてついには天皇位につきます。

わたしは顕宗天皇と仁賢天皇は、実際には傀儡政権だったんじゃないかと推測。
スポンサードリンク

原文

皇太子億計曰「白髮天皇、以吾兄之故、舉天下之事而先屬我、我其羞之。惟大王、首建利遁、聞之者歎息。彰顯帝孫、見之者殞涕、憫々搢紳、忻荷戴天之慶、哀々黔首、悅逢履地之恩。是以、克固四維、永隆萬葉、功隣造物、淸猷映世、超哉、邈矣、粤無得而稱。雖是曰兄、豈先處乎、非功而據、咎悔必至。吾聞、天皇不可以久曠、天命不可以謙拒。大王、以社稷爲計、百姓爲心。」發言慷慨、至于流涕。天皇於是、知終不處、不逆兄意、乃聽。而不卽御坐。世、嘉其能以實讓曰「宜哉、兄弟怡々、天下歸德。篤於親族、則民興仁。」
Pre<<<  >>>Next 
スポンサードリンク

SNSボタン

TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket

ページ一覧

編集