神祇伯に神を祭らせ皇子を求めてください

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継体天皇(七)神祇伯に神を祭らせ皇子を求めてください

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現代語訳

(即位1年)2月10日。大伴大連は申し上げて請いて言いました。
「わたしめは聞きます。
前の王(=武烈天皇のこと)は世を治めたのに、維城(マウケノキミ=世継ぎ=皇太子)を固めていませんでした。それでは乾坤(アメツチ=天地)を鎮めることはできません。掖庭(ウチツミヤ=後宮のこと)に親(ムツビ=親密な人物=寵愛した妃)がいないので、その趺萼(ミナアスエ=子孫)が継ぐことありませんでした。白髪天皇(シラカノスメラミコト=清寧天皇)は世継ぎがいなかったので、わたしめの祖父の大伴大連室屋(オオトモノオオムラジムロヤ)に命じて、州毎(クニゴト)に三種の白髪部(シラカベ)を置きました。
三種の白髪部というのは白髮部舍人(シラカベノトネリ=舎人は従者のこと)・白髮部供膳(シラカベノカシワデ=カシワデは料理人のこと)・白髮部靫負(シラカベノユケイ=ユケイは矢の筒を背負う人のこと)です。

後世に名を残そうとしました。あぁ!痛ましいことです。おねがいですから、手白香皇女(テシラカノヒメミコ)を立てて、娶って皇后として、神祇伯(カムツカサノカミ=神官のこと)たちを派遣して神祇(アマツヤシロクニヤシロ)を敬い祭り、天皇の息子を求めて、民の望みに答えてください」
継体天皇は「可(ユルス)」と言いました。
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解説

すぐ世継ぎがいなくなるよね
雄略天皇の子の清寧天皇には子がおらず、そこで播磨国で身を隠していた顯宗天皇と仁賢天皇を探し出し、次の天皇としました。しかし仁賢天皇の子の武烈天皇にはまたしても子が居らず、そこで越後国にいた継体天皇へと白羽の矢が立ったわけです。
これって現代の天皇家にも近い問題があって、ちょくちょく世継ぎ問題が発生するんですよね。

それで「手白香皇女」を皇后にしてよね。そんで世継ぎが生まれるように神祇を祭ってよねと提案しています。

多分に、この雄略天皇から武烈天皇の時代の中で「世継ぎ問題」で社会が混乱しやすかったんじゃないかと思うのです。それで大臣・大連が辟易していた。大臣・大連などは権力には興味があるのだけど、社会が混乱することはさすがに望んでいないんでしょう。

どうもわたしらは「権力に固執」することを「邪悪」に思いがちですが、多くの国民にとって、権力が安定することは大事なことです。権力争いがあり戦争があるってのは、良いことではありません。だから権力に固執した結果、戦乱が続くのは良くないのですが、安定した社会づくりには「敵を排除し、権力基盤を固める」というのは大事なことで、「権力に固執」するというのは、「平和」への道筋なんですよね。

継体天皇がこれから権力を取り、時代が動いていく中で、擁立した大臣・大連たちが、権力欲にまみれた人物であると考えるのは、早計です。
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原文

庚子、大伴大連奏請曰「臣聞、前王之宰世也、非維城之固、無以鎭其乾坤。非掖庭之親、無以繼其趺萼。是故、白髮天皇、無嗣、遣臣祖父大伴大連室屋毎州安置(三種白髮部言三種者、一白髮部舍人、二白髮部供膳、三白髮部靫負也)、以留後世之名。嗟夫、可不愴歟。請、立手白香皇女、納爲皇后、遣神祗伯等、敬祭神祗、求天皇息、允答民望。」天皇曰、可矣。
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