セウォル号船長の処罰に見る韓国の道徳絶対主義

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セウォル号船長の処罰に見る韓国の道徳絶対主義

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概要

まとめ
●セウォル号の船長が沈没するときに逃げたことで裁判があった。死刑にはならなかったが、実質、社会的には抹殺されたに等しい。
●セウォル号が沈没したのは船長のせいだけではない。
●耐用年数を超えた船に、不安定になる改造をし、そこに過積載をしている。そしてこれらの不法を見逃した役人がいて、彼らは何かしらの金銭を得ているハズ。
●そういう人たりが一切、罰を受けていない。
●これは韓国が徳治主義で法律を重んじないから。
●誰もが法律を守らないし、賄賂を受け取って、不法を見逃すから事件が起きたのだが、それを取り締まれない。なぜなら国家全体が「徳治主義」だから。
●結果、不道徳な船長が罰を受けて、それで根本が改善されないまま。

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セウィル号の沈没事件

セウォル号の船長が一審では懲役38年だったものが、殺人罪を適用して「無期懲役」となりました。船長の年齢が2015年4月の時点で61歳ですから、「罰」だけを見ればどっちでも一緒なんですが、「殺人罪を適用した」というところが大事なんでしょうね。

性格・能力

しかし、日本人や欧米の人から見るとこの処罰は奇妙に映るはずです。確かに船長は悪い。沈む船に乗客を残していの一番に逃げ出したのだから道義的に大問題です。だから罰を受けること自体は誰も否定しないんですよ。でも、ちょっと待てと。セウォル号が沈没したすべての責任を船長になすりつけるのはおかしいでしょう。セウォル号沈没事件は日本で「耐用年数を過ぎて使えない」と売りに出した船を「航行しないことを条件」にして韓国の会社が買っておいて、そこに重心が上がるような改造(=不安定になる)をして、さらに法規則以上の荷物をのせた(=過積載)ところに問題があるわけです。船長は悪いんですが、この違法運行・違法改造・過積載のところを改善しないと同じような問題が起きるはずなんですね。むしろ、船長はこれらの不法を知っていたからこそ逃げ出したんです。これらの不法があるから、乗客を逃がしていたら、自分が逃げることはできないと考えた。だから、乗客に「その場に留まるように」とアナウンスをさせた。そうしないと生き残ることは無い、と考えたし、実際そうだったでしょう。沈没した原因はそれらの不法・違法なんですね。そうやって不法に利益を得た人たちがたくさんいる。運行会社はもちろんのこと、改造をした会社も、そして改造と過積載を見逃すことで賄賂を受け取っていただろう役人たちも、多大な利益を得たはずなのです。沈没する原因の彼らが、今でも罪に問われず、利益もそのまま手に入れたままなんです。船長としては「どうして俺だけが悪いんだ?」と考えて、「乗客を見殺しにして何が悪い?」と逃げ出すのも、「無責任で悪」であることはあっても、その心情は理解できなくもない、でしょう。
ま、2015年に起きた広島空港のアシアナ航空機事故で韓国人機長が逃げ出したことから、上記の理屈はなんら関係なく、船長・機長は逃げるのが朝鮮式なのかもしれません。
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道徳絶対主義

しかし、それでも違法運行・違法改造・過積載に関わった人たちの多くが罪に問われていません。なぜでしょうか?

道徳絶対主義という社会
まず、韓国は徳治主義の国で、道徳が大事な国ということがあります。道徳が大事だってのは悪いことじゃ無いような気がしますが、「法律より道徳」なんですね。この「道徳」は私たち日本人がいうところの「道徳」とは全然違います。まず、韓国の道徳には「法律を守る」というのが無いんです。無いというよりは「薄い」というべきでしょう。道徳が優先してしまって法律を守る必要が無いんですね。で、その道徳の中に「賄賂を受け取る」というのも入っているから厄介なんです。韓国といっても「賄賂はダメ」という考えはあります。でも、いざ自分が賄賂を受け取る立場になったら断れません。賄賂を断る人間は「冷たい不道徳な人間」だからです。道徳が絶対的な意義をもつ韓国ではこれは断れない。「法律より道徳」の社会ですからね。

権力との癒着(事大主義)
その上、役人とか運行会社ってのは権力と関わっていて、司法ともズブズブなんですよ。これは儒教の上下関係に由来しています。韓国人は伝統的に「強いものに従う」のです。

それで結局、その「沈没事故の原因の大事な部分」ってのは何にも改善されないままになっちゃいます。確かに船長は悪い。でも、それは問題の本質ではない・・・というのが第三者の率直な意見でしょう。
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