河辺臣の婦人の甘美媛

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欽明天皇(八十三)河辺臣の婦人の甘美媛

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現代語訳

河辺臣(カワヘノオミ)は兵を引いて退いて、急いで野原に陣営を敷きました。士卒(イクサノヒトドモ=兵士)は皆、河辺臣を有遵承(ナイガシロ=軽んずること)にして、従わなくなり、命令を聞かなくなりました。新羅の闘将は自ら、陣営の中に行き、河辺臣瓊缶(カワベノオミニヘ)たちや、随伴する婦人をすべて生け捕りにして捕虜としました。その時、父子夫婦は互いを心配することも出来ませんでした。闘将は河辺臣に問うて言いました。
「お前、自分の命と婦人とどちらを愛しているか」
答えて言いました。
「どうして一人の女を惜しんで、禍(ワザワイ)を取るというのか。なんといっても自分の命よりも大事なものがあろうか」
闘将は婦人を妾としました。闘将は、誰もが見えるところでその婦女を犯しました。婦女は後に帰還しました。河辺臣は語り合おうとしました。婦人は恥に思い、恨んで、随伴せず言いました。
「昔、あなたは軽々しく、わたしめの身を売りました。今、どんな顔をして会えるというのでしょうか」
ついに従いませんでした。この婦人は坂本臣の娘の甘美媛(ウマシヒメ)といいます。
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解説

兵法を知らない河辺臣は捕らえられ、その愛人の一人である甘美媛は捕らえられ、新羅の闘将に陵辱されます。戦争で敗れた方というのは、どこの国でも何もかもを失います。

しかし、その場で強姦となると、新羅の闘将も、ちょっと極端というか理性的ではないというか。これはむしろ、部下から不信を抱かれることになるのではないか? と。

儒教では上下関係が大事で上は下に何をしてもよく、下は上に絶対服従です。戦争による勝利というのは、「上」の確定が明らかで、もう理性を抑えられません。絶対的有利がもたらすものが「残虐さ」なのでしょう。ベトナムでの韓国軍の蛮行や、儒教の要素の強かった戦前の日本を考えると、これは通じるものがあると思われます。
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原文

於是、河邊臣、遂引兵退、急營於野。於是、士卒盡相欺蔑、莫有遵承。鬪將自就營中、悉生虜河邊臣瓊缶等及其隨婦、于時、父子夫婦不能相恤。鬪將問河邊臣曰「汝、命與婦、孰與尤愛。」答曰「何愛一女以取禍乎。如何不過命也。」遂許爲妾。鬪將遂於露地姧其婦女。婦女後還、河邊臣欲就談之、婦人甚以慚恨而不隨曰「昔君輕賣妾身、今何面目以相遇。」遂不肯言、是婦人者坂本臣女、曰甘美媛。
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