山背大兄は三国王と桜井臣和慈古を派遣して蝦夷に問う

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舒明天皇(四)山背大兄は三国王と桜井臣和慈古を派遣して蝦夷に問う

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原文

先是、大臣獨問境部摩理勢臣曰「今天皇崩無嗣、誰爲天皇。」對曰「舉山背大兄爲天皇。」是時、山背大兄、居於斑鳩宮漏聆是議、卽遣三国王・櫻井臣和慈古二人、密謂大臣曰「傳聞之、叔父以田村皇子欲爲天皇。我聞此言、立思矣居思矣未得其理。願分明欲知叔父之意。」

現代語訳

これより以前のこと。大臣(=蘇我蝦夷)は境部摩理勢臣(サカイベノマリセノオミ)に問いて言いました。
「今、天皇が崩御して、後継者がいない。誰が天皇になるべきだろうか」
答えて言いました。
「山背大兄を天皇としよう」
この時、山背大兄は斑鳩宮(イカルガノミヤ)にいて、この合議を漏れ聞いていました。すぐに三国王(ミクニノオオキミ)・桜井臣和慈古(サクライノオミワジコ)の二人を派遣して、密かに大臣に語って言いました。
「伝え聞くところによると、叔父(=山背大兄から見て蘇我蝦夷は叔父)は田村皇子を天皇にしようと思っているらしいですね。私はこの言葉を聞いて、立って考え、座って考えても、未だにその理由が分からないのです。願わくば、分明(ワキワキ=ハッキリ)と叔父の意志を知りたいと思っています」
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解説

山背大兄は聖徳太子の子。聖徳太子は誰もが認める最高能力の皇太子。推古天皇が長生きしちゃって天皇にはなれませんでしたが、それでも人望はピカイチです。だから筋から言っても、権力基盤から言っても、山背大兄が天皇になるのが普通です。

ところが叔父である蝦夷は山背大兄より血縁者ではない田村皇子を天皇にしようと思っている。これは山背大兄から見れば、腹が立つ前に「不思議だなぁ」と感じてもしょうがないことです。
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