北朝鮮が瀬戸際外交をする理由

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北朝鮮が瀬戸際外交をする理由

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概要

まとめ
●北朝鮮は儒教。
●儒教では結果を求められ、結果を出せない権力者は、引きづりおろされ殺される。よって結果を出し続けないといけない。
●将軍様はアメリカとの交渉で譲歩できない。譲歩を繰り返せば、部下に無能とされて殺されるかもしれない。
●また、北朝鮮は情報統制することで政府の無能を隠さないといけない。
●外国の事情が国内に伝わっていないのではないか。
●一部の事情を知っている人も、弱気なこと言えば無能の烙印を押される。
●情報統制によって、なおのこと将軍様はアメリカとの交渉でも後に引けない。
●結果、瀬戸際外交に見える。

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北朝鮮は儒教の国

北朝鮮は儒教の国です。儒教の国では国を統治する権力者の根拠は「道徳」です。道徳がある人が権力者になり、道徳がなくなれば権力者ではなくなります。道徳がないということは「不道徳」であり、それはつまり「悪」ということです。ということは権力者が権力を失うということは、「悪」だと多くの人に認識され、「天」が「不適格!」と判断したからということになり、権力者がその座から転げ落ちると問答無用で「親族郎党、皆殺し」になります。
●日本では徳川慶喜が天寿を全うし、権力を失った天皇が皇統をつないでいます。日本では権力を失うことと「皆殺し」は直結していません。日本にこの儒教の感覚がないからです。

というわけで儒教の国では「道徳がある」ように振舞わないといけません。そうでないと下から突き上げをくらい、場合によっては転覆され、皆殺しになるかもしれないのです。いうなれば「道徳に追い立てられる」状態です。
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儒教では結果を重んじる

で、道徳とは何かというと(ややこしいことはすっ飛ばせば)それは結果です。
儒教と性善説
儒教では性善説を取っていて、生まれながらにして「完璧な能力」を持っているものです。となると人間は誰しも完璧な能力を持っているはずなんですね。でもみんな凡人です。なぜ凡人なのかというと、不道徳だからです。完璧な能力を発揮するには「道徳」がないといけないんです。道徳があるということは、能力があるということであり、権力者になるべきなんです。では、その能力と道徳と権力をどうやって「客観的」に計るのかというと「結果」です。

儒教国では「結果」を示し続けないと権力から滑り落ち、皆殺しになる!という感覚があります。
●中国が経済指標を操作するのは、そういう事情です。
●定期的にミサイルを発射するのは部下に成果を見せなくちゃいけない北朝鮮の文化的事情があります。

よく北朝鮮の将軍様が何を考えているのかわからない!みたいなことを言ってる人がいるんですが、大事なのは北朝鮮の将軍だけでなく周囲の人や国民までが全員、儒教的な考えをしていることです。ここ、大事です。
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譲歩できない理由

将軍様が仮にアメリカに譲歩したとしましょう。アメリカの方が軍事力を持っているのですから、アメリカが本気で北朝鮮を潰しにかかったら、即、おしまいです。となれば北朝鮮が譲歩するのが当たり前のように思えますよね。アメリカに「核を廃棄しろ」と言われたら北朝鮮は「はーい」と応じるのが日本人の感覚では普通に思えます。ところが素直にこれに応じたら将軍様は「結果の出せない」「道徳がない」「駄目な権力者」となるのです。
そうなれば将軍様はどうなるか分からない。
私たちは北朝鮮は独裁国家だと思ってて、将軍が好きなようにできるのだと思っていますが、そんなことはありません。

現実的には北朝鮮がアメリカへの譲歩するのはは致し方がないってものでしょう。しかし、将軍の部下たちが「アメリカなんて大したことないわ!」と思っていたら、もうそういうわけにはいかないんです。じゃあ、どうして将軍の部下たちは「アメリカなんて大したことないわ!」と思うのでしょうか?
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情報統制の結果ではないか

これはおそらく情報統制の結果だと思うのです。

北朝鮮は世界的に見ても貧しい国です。でも、政府としては北朝鮮はちゃんとやってることになっています。となると、他国の繁栄ぶりが北朝鮮の人に知られたらマズイ。北朝鮮政府の無能がバレます。無能ということは結果を重んじる儒教では「不道徳」であり、権力を握るにふさわしくないとなります。だから外部の情報は北朝鮮国内には知らせてはいけない。よって情報が入らないように統制するわけです。

そういう事情があって北朝鮮の軍部・官僚は情報が少ないから「アメリカなんて大したことない!」と思っているんじゃないか?と私は思うのです。もちろん、一部の人は外国に行ったことがあるでしょうから、北朝鮮の貧しさを知っているし、アメリカに敵いっこないのも知っているでしょう。でも、大半の人が知らないのならば、ここで「アメリカにはかなわない」とは言えないのです。そんなことを言う人は儒教では「能力なしの不道徳なダメ人間」と烙印を押されます。だからといって真実は教えられない。わが身が危ない。
●北朝鮮の誰もがアメリカがすごくて北朝鮮しょぼいと知っていたら、譲歩は簡単にできるんですよ。
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条約を守らなくていい儒教

しかし、北朝鮮とアメリカが一時的に条約や協定を結んで、とりあえず危機が回避されるということがありますよね。ところがしばらくすると北朝鮮はこの条約や協定を破ってしまうのです。これも儒教に理由があります。

儒教は「徳治主義」です。徳治主義は道徳によって国を治めようという考えで、法律より道徳という社会です。法律より道徳ってのは日本人にはピンと来ないですが、儒教ではそうなんです。となると、法律が軽んじられます。北朝鮮では「法律・条約・協定・約束・ルール」は守らなくていいんです。独裁国家だから、じゃないんです。儒教の文化ではアメリカとの約束を守らないことに罪悪感を覚えませんし、むしろアメリカの鼻を明かしてやったと得意満面になるくらいです。
●韓国も儒教国です。日韓基本条約で日本は韓国に「賠償金を払い謝罪し、完全に清算し、今後は蒸し返さない」と約束したのですが、韓国は無視してさらに謝罪と賠償を求めます。これが法律(条約)より道徳の状態です。
●法律より道徳が上回ることは論語の中に明文化されています。


つまり、北朝鮮は瀬戸際外交をしているのではなく、国内の文化事情などから「仕方なく」そうしているのが、外から見れば「瀬戸際外交」に見えるだけなのです。
●もう一つ大きな理由に「上下関係」があります。詳細は「北朝鮮との拉致被害者交渉では譲歩すれば長引く」を参考に。
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