エウカシの罠と謀略と密告

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エウカシの罠と謀略と密告

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原文

待ち撃たむと云ひて軍を聚めしかども、軍を得聚めざりしかば、仕へ奉らむと欺陽りて、大殿を作り、その殿の内に押機を作りて待ちし時、弟宇迦斯、先づ参向へて拝みて白さく、「僕が兄兄宇迦斯、天つ神の御子の使を射返し、待ち攻めむとして軍を聚むれども、得聚めざりしかば、殿を作りその内に押機を張りて待ち取らむとす。かれ、参向へて顕はし白す」とまをしき。

現代語訳

ヤタガラスを追い返したエウカシは、イワレビコを待ち伏せして撃とうと、兵を集めようとしたのですが、集められなかったので、従うフリをして、御殿を作って、そこに罠を作ってイワレビコを待っていました。

そのとき、弟宇迦斯(オトウカシ)がイワレビコのところに来て言いました。

「私の兄である兄宇迦斯(エウカシ)は天津神の皇子の使いであるヤタガラスを撃って返し、待ち伏せして皇子を攻めようと、兵を集めたのですが、うまく集まりませんでした。そこで御殿を作って、押機(=罠の一種)を張り、待っています。

それで、こうして皇子の前に参上して、すっかり説明しているのです」
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解説

ヤタガラスを追い返したエウカシは、いずれやってくるであろうイワレビコを待ち伏せして襲おうと兵を集めたのですが、失敗しました。そこで罠を張って待っていたら、そのことをオトウカシにバラされる。というところまでです。

文章が長いようですが、反復しているだけなのでそうでもないです。
押機
現代語訳では単に「罠」と称しましたが、踏むと圧死するような罠のことです。どうやらトムとジェリーに出てくるような「ネズミ捕り機」に近いもののよう。しかし、古代にそういったバネ式で簡単なものとはいえ、そういうものが存在したとは、ちょっと驚きです。
罠というとオオクニヌシ八十神に殺されるところでも、登場します。意外と木工技術があったのかもしれません。
参考:?オオナムチ二度目の死

朝鮮の三国史記では「(半島に)日本から珍品が来る」と書かれているのです。日本は資源の無い国ですから、珍品とは資源ではなくおそらくは「工芸品」だったはずです。それが具体的には何だったのか? は分かりませんが、当時から日本は物作りの国だったのでしょう。

個人的コラム

兄弟の殺し合い
弟宇迦斯(オトウカシ)の裏切りによって兄の謀略が明るみになりました。この後、兄は殺されてしまいます。
似たような話が日本書紀にあります。

朝廷に出雲の宝を黙って献上した弟イイイリネは兄イズモノフルネに謀略で殺されてしまいます。その後、兄弟のさらに弟の甘美韓日狹(ウマシカラヒサ)とイイイリネの子の鸕濡渟(ウカヅクネ)が朝廷に密告、イズモノフルネは朝廷から派遣された吉備津彦(キビツヒコ)と武渟河別(タケヌナカワワケ)に殺されてしまいます。

これらの神話は元は似たような「季節神話」で、それを吸収した結果が記紀神話になったのではないかと。
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