タギシミミの反逆

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タギシミミの反逆

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現代文訳

神武天皇が亡くなると、神武天皇の妾腹の子であるタギシミミノミコトが皇后である「イスケヨリヒメ」を娶りました。

そのときタギシミミ命は異母兄弟である三柱(日子八井命【ヒコヤイノミコト】、神八井耳命【カムヤイミミノミコト】、神沼河耳命【カムヌナカハミミノミコト】)を殺そうと計画しました。

その三柱の親であるイスケヨリヒメは思い悩み苦しみ、歌で子供たちに計画を教えました。その歌が

「狭井河から雲が立ち上がり、畝火山の木の葉はざわめいています。嵐が来ようとしています」

また歌った歌が

「畝火山では昼間は雲が流れ、夕方には嵐の前触れとして木の葉が騒いでいる」
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解説

タギシミミはアヒラヒメの子で、物語の中では長兄に当たります。現代の常識で言うと長兄であるタギシミミが次の天皇になってもいい気もしますが、当時は「末子相続だった」ので、長兄で妾の子のタギシミミは天皇にはなれないという事情があった――のかもしれません。が…

次のシーンではタギシミミ殺害が出来なかった兄が殺害を実行した弟に天皇位を譲るシーンがあります。つまり長子相続が当たり前という前提の口調です。

これは古事記が書かれた当時が律令制度を整備する過程だったことがあるかもしれません。物語り当時は末子相続が当然だったが、古事記が書かれるときは長子相続をルールに定めたいと考えていた。この矛盾が物語に不協和音を残しているのではないでしょうか??
歌の意味
畝火山は神武天皇が居た場所(参考:ニギハヤヒが宝を献上する)。狭井河はイスケヨリヒメの出身地(参考:神武天皇とイスケヨリヒメが結ばれる)。ここで雲が立ち上がったり、木の葉がざわめくのは、天変地異の前触れです。

ここでの歌は今までのように久米氏に伝わる民謡を当てはめたのではなく、自然の異変が身近な異変の予兆とする民間の信仰を反映して「創作」したのではないか?といわれています。
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個人的コラム

神武天皇の妾の子供が皇后を娶る?
タギシミミは神武天皇とアヒラヒメの子(参考:イワレビコの女性関係)です。イスケヨリヒメは神武天皇の皇后で、タギシミミから見れば、義理の母に当たります。
古事記の文章から見ると、そういった婚姻が特殊であるという書き方はなく、タギシミミの反逆そのものが問題となっているので、こういった婚姻関係は一般的、だったのかもしれません。
天皇の系譜には似たような関係が見られますが、一人の女性を親子で取り合って、結果、どちらの子供がよく分からないというケースだったということもあります。

原文

故、天皇崩りましし後、その庶兄(ママセ)当芸志美美命(タギシミミノミコト)、その適后、伊須気余理比売(イスケヨリヒメ)を娶せし時、その三の弟を殺さむとして謀りし間に、その御祖 伊須気余理比売、患へ苦しみて、歌もちてその御子等に知らしめたまひき。歌ひて曰はく、

狭井河よ 雲立ちわたり 畝火山 木の葉さやぎぬ 風吹かむとす

また歌ひて曰はく、

畝火山 昼は雲とゐ 夕されば 風吹かむとそ 木の葉騒げる
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