オウス命の蛮行

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オウス命の蛮行

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現代文訳

景行天皇は小碓命(オウス)に言いました。

「どうしてお前の兄(オオウス命)は、朝夕の食事に出てこないのだ。お前から優しく諭しなさい」

それから五日経っても、オオウス命は食事に出てこないので、景行天皇オウス命に言いました。

「どうして、お前の兄は長いこと出てこないのか? もしかして、まだ兄に諭していないのか?」

するとオウス命は答えました。

「もう、諭しましたよ」

「どう諭したのだ?」
景行天皇が聞きました。

するとオウス命が答えました。

「朝、オオウス命が厠(カワヤ=トイレ)に入ったときに、待ち伏せして捕まえ、打ちのめし、手足を引き千切って、ムシロに包んで投げ捨てました」
日本書紀の対応箇所
なし
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解説

当時はトイレを川に設置していたから「カワヤ」と言います。その厠から出てきたところを、手足を引き千切ってバラバラにして捨ててしまうオウス命。怖い。

この蛮行が父親との不仲というか、父親からの信頼を損ねて悲劇の結末を招くことになります。
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個人的コラム

ちょっと待て!
この話はハイヌウェレ神話の亜種じゃないか?

スサノオオオゲツヒメの「オオゲツヒメのおもてなし五穀が生まれる」のようなものではないでしょうか。

ハイヌウェレ神話とは世界に広がる「神から五穀が生まれる」という定型の神話です。この話にはもう一つの側面があります。「連作障害」と「肥料」です。かつて人間は焼き畑農業をやっていました。何年か耕作すると別の土地に移ります。なぜか?肥料が切れ連作障害を起こすからです。肥料と連作障害は別の問題ですが、当時の人から見るとそれは不思議でやっかいな問題だったはずです。

肥料とはつまり「リン」です。リンが不足すると花が咲かず、実が成りません。もちろん他のチッソやカリも必要ですが、リン以外は人工的に補給が出来ます。

そのリンが多く含まれるものが「うんこ」と「死体」です。このページには「厠」と「オオウス命の死体」が出てきます。手足を引き千切られ、しかも薦(コモ=ムシロと訳しました)で包まれて捨てられます。そういう「農法」があったのではないでしょうか。もしくは、そういう農法があったという伝承があったのではないでしょうか。
土偶について
目が大きく妙な形の土偶の多くはバラバラに割られ、周囲に撒かれていました。意図的に割り、撒く。これはハイヌウェレ神話の再現儀式ではないでしょうか。もしかすると本来は人を殺してバラバラにして撒いていたのかもしれません。
オオウスは日本書紀では死なない
オオウスがオウスに殺されるのは古事記だけで、日本書紀では存命し、子孫を残しています。古事記にも子孫の名前が羅列しているので、この話は伝承をハメこんだと考えたほうがいいでしょう。

原文

天皇、小碓命(オウスノミコト)に詔りたまはく、「何とかも汝の兄は朝夕の大御食に参出来ざる。専ら汝ねぎ教へ覚せ」とのりたまひき。かく詔りたまひて以後、五日に至るまでなほ参出ざりき。ここに天皇、小碓命に問ひたまはく、「何とかも汝の兄は、久しく参出ざる。もし未だ誨(オシ)へずありや」ととひたまへば、答へて白さく、「既にねぎつ」とまをしき。また「如何かねぎつる」と詔りたまへば、答へて白さく、「朝曙に厠に入りし時、待ち捕へ搤(ツカ)み批ちて、その枝を引き闕きて、薦に裹みて投げ棄てつ」とまをしき。
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