第五段一書(八)山の神が生まれ火が生まれる

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第五段一書(八)山の神が生まれ火が生まれる

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原文

第五段一書(八)
一書曰、伊弉諾尊、斬軻遇突智命、爲五段。此各化成五山祇。一則首、化爲大山祇。二則身中、化爲中山祇。三則手、化爲麓山祇。四則腰、化爲正勝山祇。五則足、化爲䨄山祇。是時、斬血激灑、染於石礫・樹草。此草木沙石自含火之緣也。麓、山足曰麓、此云簸耶磨。正勝、此云麻沙柯、一云麻左柯豆。䨄、此云之伎、音鳥含反。

現代文訳

第五段一書(八)
ある書によると……
イザナギカグツチを五段に斬りました。この五つがそれぞれ五柱の山祇(山の神)になりました。

まず首は大山祇(オオヤマズミ=オオヤマヅミ)となりました。
次に体は中山祇(ナカヤマズミ)となりました。
次に手が麓山祇(ハヤマヤマズミ=ハヤマツミ)となりました。
次に腰が正勝山祇(マサカヤマズミ=マサカヤマツミ)となりました。
次に足が䨄山祇(シギヤマズミ=シギヤマツミ)となりました。

斬った時に血が激しく飛び散って、石礫樹草を染めました。草木砂石が燃えるのはこのためです。
麓は山の下の方のことで簸耶磨(ハヤマ)といいます。
正勝は麻沙柯(マサカ)と読みます。
もしくは麻左柯豆(マサカツ)と読みます。
䨄は之伎(シギ)と読みます。
音は鳥・含の反切法です。

対応する古事記
火の神の死体から産まれた神
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解説

山を擬人化
日本人のお家芸「擬人化」です。山の頂点から首がオオヤマズミ、体がナカヤマズミ、手がハヤマヤマズミ、腰がマサカヤマズミ、足がシギヤマズミ。古代の日本人は山を大きな「人」に見立てていたってことです。大きな神様だと。
第五段一書(七)三段切りでは雷神・オオヤマズミ・タカオカミ(=水神・龍神)でした。

火の神、カグツチが斬られて「山」になったのは間違いなく「火山の噴火」を表していいます。「第五段一書(七)三段切り」でカグツチの死から農業関係の神を生まれているのとは捉え方がかなり違います。

是時、斬血激灑、染於石礫・樹草。此草木沙石自含火之緣也について
カグツチの血が岩・石・砂・木・草などに散ったために、自然物は燃えるようになった。という「火の起源」とわたしは捉えました。つまり日本書紀では「創世神話」が続いているということ。まだ世界は出来上がってはいない、ということです。

個人的コラム

火の捉え方の違い
ここでのカグツチは「火山」という捉え方です。火山が噴火し、山が生まれる。そしてカグツチの「死(血)」が「火」をこの世界に残した。

ここでのカグツチは母親イザナミの死の原因であり、天変地異を起こし、古代でもたびたび起こっただろう「火事」を起こす恐ろしい神です。災厄の神だろうとも。

しかし、山は日本人にとって恵みをもたらす存在です。山で狩猟をしていましたし、山から流れる川を利用し農業もしていました。農業が生活に定着すると山から神が降りてきて畑に宿り、成長し実ったものを収穫すると考えるようになりました。山は豊かさの象徴だったはずです。その山を生んだのがカグツチです。
また、古代では焼き畑農業を営んでいました。燃やすことで土を浄化し肥やす意味がありました。カグツチは焼き畑農業の象徴かもしれません。火の神のカグツチの名前に「土(ツチ)」という音があるのは、農業関係の神だったからなのかもしれません。

また、農機具が鉄器になったことで生産性が上がりました。鉄器を作るには強い火力が必要です。カグツチは災厄を呼ぶ恐ろしい神か、それとも豊かにする神か……

おそらくどちらもが「火」の本質です。
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