第六段一書(三)六柱の男神

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第六段一書(三)六柱の男神

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現代語訳

第六段一書(三)
ある書によると……
日の神(=アマテラス)がスサノオ天安河(アメノヤスカワ)を挟んで相対して誓約をして言いました。

「あなたがもし賤(イヤ)しい心が無いのならば、あなたが生む子は必ず男となるでしょう。もし男神が生まれたならば、わたしの子供として天原(アマハラ)を治めさせましょう」

そこで日神はまず十拳釼(トツカノツルギ)を食べて生まれた子は瀛津嶋姫命(オキツシマヒメ)、別名を市杵嶋姫命(イチキシマヒメ)といいます。また九拳釼(ココノツカノツルギ)を食べて生まれた子は湍津姫命(タギツヒメ)です。八握劒(ヤツカノツルギ)を食べて生まれた子が田霧姫命(タキリヒメ)です。

スサノオは左の髪留めの五百箇統之瓊(イホツミスマルノタマ)を口に含んで、左の掌に置いて男神を生みました。
そこで
「まさに私が勝った!」
と言いました。
それで、その男神を勝速日天忍穗耳尊(カチハヤヒアメノオシホミミ)といいます。

また、右の髪留めの玉を口に含んで右の掌に置くと天穗日命(アメノホヒ)が生まれました。

また首に下げた玉を口に含んで左腕に置くと天津彦根命(アマツヒコネ)が生まれました。また右腕に置くと活津彦根命(イクツヒコネ)が生まれました。左足からは熯之速日命(ヒノハヤヒ)が生まれました。右足からは熊野忍蹈命(クマノオシホミ)、別名、熊野忍隅命(クマノオシクマ)が生まれました。

スサノオが生んだ子は全て男神でした。
そこで日神はスサノオが清らかな心であると知り、すぐに六柱の男神を引き取り、日の神の子として天原(アマハラ)を治めさせました。

そして日の神が生んだ三柱の女神は葦原中国(アシハラナカツクニ)の宇佐嶋(ウサノシマ)に降ろしました。現在は北海路の途中にあります。道主貴(ミチヌシノムチ)と言います。これは筑紫の水沼君(ミヌマノキミ)などが祀る神です。
熯は「干」です。「ひ」と読みます。


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解説

六柱の男神
まずスサノオが生む男神が六柱に増えてます。アメノオシホミミアメノホヒアマツヒコネイクツヒコネヒノハヤヒ、クマノオシホミです。

今まで五柱だったところに一つ増えたのか?というとおそらく元々六柱だったところを、「奇数がいい」という中国の考えを入れて五柱に加工したと考えた方がいいでしょう。ちなみにハブられたのはヒノハヤヒです。
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個人的コラム

スサノオが生んだ神は元々穀物神では?
宗像三女神は九州の神。これを祀っていた氏族天皇と縁戚になったり、勢力があったことが、登場の理由のようですが、スサノオ関連の方は活躍は薄い。

オシホミミに至っては天皇の祖先とはなっていますが、子供(ニニギ)に活躍の場(天孫降臨)を譲っているくらいですからね。パっとしない。

体から神が生まれるというのは、神話としてはよくあるタイプですが、同じように体の各部から生まれたお話にハイヌウェレ神話があります。ツキヨミウケモチ、もしくはスサノオとオオゲツヒメのあれです。

死後の神の体が「穀物」になるのですが、スサノオが生んだ五柱、もしくは六柱の神はそもそもが穀物神だったのではないか?と思うんですよね。

というのもこれらの神は活躍が薄く、祀った氏族も目立っていない。にもかかわらず、神話の初期に登場し、キーマン(鍵神というべきか?)となっているということは、祀る氏族が少なくとも名前だけは相当に知られていた神だったと考えるべきです。

スサノオが神を生んだ物語は決して古事記編纂時期に創作されたのではなく、かなり古い神話だったのでしょう。

まぁ、日本の神話の登場人物はみんな穀物関係か武器関係で、古い神ほど穀物がらみなので、多分そういうことじゃないかと。

原文

一書曰、日神與素戔鳴尊、隔天安河、而相對乃立誓約曰「汝若不有奸賊之心者、汝所生子必男矣。如生男者、予以爲子而令治天原也。」於是、日神、先食其十握劒化生兒、瀛津嶋姫命、亦名市杵嶋姫命。又食九握劒化生兒、湍津姫命。又食八握劒化生兒、田霧姫命。巳而素戔鳴尊、含其左髻所纒五百箇御統之瓊而著於左手掌中、便化生男矣、則稱之曰「正哉吾勝。」故因名之曰勝速日天忍穗耳尊。復、含右髻之瓊、著於右手掌中、化生天穗日命。復、含嬰頸之瓊、著於左臂中、化生天津彦根命。又、自右臂中、化生活津彦根命。又、自左足中、化生熯之速日命。又、自右足中、化生熊野忍蹈命、亦名熊野忍隅命。其素戔鳴尊所生之兒皆已男矣、故日神方知素戔鳴尊元有赤心、便取其六男以爲日神之子、使治天原。卽以日神所生三女神者、使隆居于葦原中国之宇佐嶋矣、今在海北道中、號曰道主貴、此筑紫水沼君等祭神是也。熯、干也、此云備。
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