ナシ族(納西族)の創世神話

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ナシ族(納西族)の創世神話

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概要

ナシ族は中国南部の少数民族。
地域によっては一妻多夫で女性にしか相続権が無いという女系家族もあります。
絵文字のような象形文字があり、神話が書物で残っています。

物語・由来

『人類遷徙紀』
天地が出来ました。
天の神は四本の柱を立てて天と地を離しました。
天の声音と地の気息が結露して水滴ができました。
それが海になりました。
その海から神が生まれました。
その神の7代後の子孫にツオゼルウ(ツォゼルグ)などの5人の男兄妹と6人の姉妹が生まれました。この兄弟姉妹で婚姻したために神はこの近親相姦(同朋婚)に怒り、大洪水を起こしました。それで世界のほぼ全てが滅びました。
生き残ったツオゼルウが大地をさまよっていると天女がいました。
その天女と恋に落ちたツオゼルウは天に昇って行きました。
しかし天女の父の天の神はツオゼルウに条件をつきつけました。
ツオゼルウはこの条件と天女とともに乗り越えて夫婦となりました。
ツオゼルウと天女の夫婦は天から下り、雲南の麗江に住み、三人の男の子をもうけました。
その長男がチベット族。
次男がナシ族。
三男が民家人(白族)の祖先となりました。

個人的コラム

日本の神話と対比した場合、天女と結ばれる天女伝説と結婚に条件がありその条件を満たして結ばれるヘラクレス型神話(スサノオ)などが類似しています。ただヘラクレス型はよくある神話のタイプなので似ていると言っていいのかは疑問。洪水の後に兄妹で婚姻するところはイザナギイザナミと同型とされます(イザナギイザナミには洪水神話は無いが)。

神話の兄妹婚は登場人物の少なさから致し方のないもの。
兄妹婚を批判する神話はこれを問題視する民族の倫理観のためかもしれない。ちなみにエジプトなどのでは王族が兄妹婚をするのは謂わば「特権階級」のやることだった。日本でもそれに近い。これは「変態」ということではなく、「血統が権力者の根拠」となっている以上は仕方が無い。下々と結ばれるとどうしても「血統」の根拠が薄まって行く。これを防ぐためだろうと。
女系家族・母系社会
日本も古代では母系社会だったので、ナシ族の女系社会は似ています。記紀には天皇の妃の出自が書かれているのですが、そこに「母親」の名前しか無い人物がチラホラと見られます。これは一族の長が女性だったからです。
文化と遺伝子
チベットもナシ族も白族も中国南部の民族。
白族の主食は米でワサビも食べます。
また日本人のD遺伝子はチベットと共通していることから、日本の縄文人はこのあたりから来たのではないか?と思われます。文化の共通は関係があるのかもしれません。参考:日本人の遺伝子の起源について Y染色体ハプロタイプの簡易一覧
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