ヤタノカラスと日臣と道臣

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六月乙未朔丁巳(三)ヤタノカラスと日臣と道臣

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原文

于時、天皇適寐。忽然而寤之曰「予何長眠若此乎。」尋而中毒士卒、悉復醒起。既而皇師、欲趣中洲、而山中嶮絶、無復可行之路、乃棲遑不知其所跋渉。時夜夢、天照大神訓于天皇曰「朕今遣頭八咫烏、宜以爲鄕導者。」果有頭八咫烏、自空翔降。天皇曰「此烏之來、自叶祥夢。大哉、赫矣、我皇祖天照大神、欲以助成基業乎。」是時、大伴氏之遠祖日臣命、帥大來目、督將元戎、蹈山啓行、乃尋烏所向、仰視而追之。遂達于菟田下縣、因號其所至之處、曰菟田穿邑。穿邑、此云于介知能務羅。于時、勅譽日臣命曰「汝忠而且勇、加能有導之功。是以、改汝名爲道臣。」
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現代語訳

神武天皇はよく眠っていました。
すぐに目を覚まして言いました。
「わたしはどうして、こんなに長く眠っていたのか?」
そう言うと、毒に当たっていた兵士達もすぐに目を覚まして起きました。
それで皇軍は中洲(ウチツクニ=大和のこと)へと向かおうとしました。
しかし山が険しくて通る道がありません。
それで行ったり来たりしていたのですが、それでも山を越えることが出来ません。
その夜に夢を見ました。
天照大神は天皇に教えました。
「わたしが今から頭八咫烏(ヤタノカラス=ヤタガラス)を送ろう。
それを郷導者(クニノミチビキヒト)としなさい」
頭八咫烏(ヤタノカラス)が空より駆け下りて来ました。
天皇は言いました。
「この鳥がやって来ると、夢にお告げがあった。
天照大神は偉大であり、すばらしい神だ。
わたしの祖先の天照大神は天下を治めるこの仕事を助けようと思ってらっしゃる」
この時、大伴氏(オオトモノウジ)の祖先の日臣命(ヒオミノミコト)は大來目(オオクメ)を率いて、元戎(オオツワモノ)督將(イクサノキミ=将軍の意味)として、山を踏み開いて進み、鳥(=ヤタノカラス)の向かう所を探し、見上げて追いかけました。
ついに菟田下縣(ウダノシモツコオリ)に達しました。道を穿(ウガ=かき分けて進むこと)ってたどり着いたので菟田穿邑(ウダノウガチノムラ)といいます。
穿邑は于介知能務羅(ウガチノムラ)といいます。

神武天皇は日臣命(ヒノオミノミコト)を褒めて言いました。
「お前は、忠心があり、勇敢。
それに先導をつとめた。
これより、お前の名前を改めて道臣(ミチノオミ)としよう」
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解説

ヤタガラスは三本足ではない
日本のサッカーのマークに三本足のカラスが描かれていますが、古事記・日本書紀には「三本足」という記述は一切ありません。
三本足というカラスは、『中国の太陽神話』の『楚辞』天問篇に見られます。中国の神話と日本のヤタガラスが関係しているかは、ハッキリしない。

個人的コラム

八咫烏は頭が大きい
ここでは『頭八咫烏』と書かれています。つまり「頭が大きい」となり、もしかすると「頭が八咫」なのかもしれません。八咫の「咫」は延ばした人差し指と親指の距離のことで、「八」は聖数字で「大きい」という意味。「八咫」で「でかい」というニュアンスを持っています。
相当にデカいカラスです。

やっぱり三本足とはちょっと違うとしか思えない。
道臣
先導をしたから「道臣」。
それはいいです。
問題はそれ以前の名前が「日臣」ということです。
「日臣」は「太陽と民」という意味で、言葉通りに取れば、「太陽を祀って民と結ぶ氏族」という意味になり、後の天皇と同質の存在になります。

天皇がアマテラス信仰を始めたのはかなり遅く、7世紀とも言われます。古事記を書く直前です。ならば、それまで「太陽を祀っていた氏族」が居たとしてもおかしくない。農耕民族だった日本に居ない方が不自然です。

それで邪魔だから「太陽を祀る氏族」を「先導」へと転換した?とも考えられますが、サルタヒコのように「先導」と「太陽」はセットになっているので、「日臣」が「道臣」となることは古代では自然なのかもしれません。
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