大物主の夢のお告げ

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崇神天皇(六)大物主の夢のお告げ(日本書紀)

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原文

時、得神語隨教祭祀、然猶於事無驗。天皇、乃沐浴齋戒、潔淨殿內而祈之曰「朕、禮神尚未盡耶、何不享之甚也。冀亦夢裏教之、以畢神恩。」是夜夢、有一貴人、對立殿戸、自稱大物主神曰「天皇、勿復爲愁。国之不治、是吾意也。若以吾兒大田々根子令祭吾者、則立平矣。亦有海外之国、自當歸伏。」

現代語訳

神の語(ミコト=言葉)を得て、教えの通りに奉りました。しかし、それでも効果がありませんでした。天皇は沐浴齋戒(ユカハアミモノイミ=水を浴びて汚れを落とし、肉食をせず穢れないようにする)して、宮殿を清め、祈りました。
「わたしは、神を敬い奉るのですが、いまだに尽(コトゴト)く効果がありません。どうして、これほどに私の祈りを聞き入れてくれないのですか? 効果が無さ過ぎます。お願いですから、また夢の中で教えてください。神の恩(ミウツクシビ=神の愛)を!」

この晩の夢に、一人の高貴な人物が現れました。宮殿の入り口に向かって立って、大物主神(オオモノヌシカミ)と名乗りました。
「天皇(スメラミコト)!!
また憂いているな。
国が治まらないのは、わたしの意思だ!!
もし、我が子、大田々根子(オオタタネコ)に私を祀らせれば、たちどころに国は平穏になる。また海外(ワタノホカ)の国があり、自然と従うだろう」
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解説

大物主の意図
大物主は「崇神天皇(五)弱音と儀式と大物主(日本書紀)」で、「私を祀れば、平穏になるよー」と言っておいて、今度は「私の子供に祀らせれば、平穏になるよー」と要求がより露骨になっています。
これは儒教の「祖霊信仰」の影響かと思います。
儒教では親が大事、とします。親が居なければ子は存在できないからです。親はまたその親を重んじます。よって先祖というのは順繰りに、子孫の存在の根拠となるので、とても偉い、ということになります。それで子孫には先祖を祀る義務が発生します。
また儒教では先祖と子孫が、「同一体」となります。つまり子々孫々が続く限り、永遠の命となります。なので、子孫を残すということは重大な義務です。子孫が途絶えるということは、「命」が途絶えるということになるからです。

それで大物主の話に戻ります。
大物主は子孫に自分を祀らせることで、災害を起こさないと言いました。しかし、先祖を祀らなかったからとって国民を疫病で苦しめるというのは、無茶苦茶です。そんな考えは儒教にはありません。儒教は先祖の祟りは、子孫に降り注ぐことはあっても無関係な誰かに影響しないのです。

よって大物主のこの物語は、古代からある日本人の「祟る」感覚に儒教の思想が混じったものだといっていいでしょう。

日本人にとって神は祟る可能性のあるものです。
神とは祟るものなんです。
神を鎮めるというのが日本人の関心事でした。
大和朝廷や天皇が神を鎮めるためにあったといっても過言ではないのです。
そんな神の祟りを鎮める方法の一つとして「儒教」が輸入された・・・というのがリアルなところでしょう。
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