氷香戸邊の子の神託

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崇神天皇(二十三)氷香戸邊の子の神託(日本書紀)

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原文

於是、甘美韓日狹・鸕濡渟、參向朝廷、曲奏其狀。則遣吉備津彦與武渟河別、以誅出雲振根。故出雲臣等、畏是事、不祭大神而有間。時、丹波氷上人名氷香戸邊、啓于皇太子活目尊曰「己子有小兒、而自然言之『玉菨鎭石。出雲人祭、眞種之甘美鏡。押羽振、甘美御神、底寶御寶主。山河之水泳御魂。靜挂甘美御神、底寶御寶主也。(菨、此云毛。)』是非似小兒之言。若有託言乎。」於是、皇太子奏于天皇。則勅之使祭。

現代語訳

甘美韓日狹(ウマシカラヒサ)・鸕濡渟(ウカヅクネ)は朝廷に参上して、詳細に状況を説明しました。すぐに吉備津彦(キビツヒコ崇神天皇からみて祖父の弟)と武渟河別(タケヌナカワワケ=崇神天皇のいとこ)を派遣して、出雲振根(イズモノフルネ)を殺しました。

出雲臣(イズモノオミ)たちは(討伐を)恐れるあまり、大神(=出雲の神=オオクニヌシのこと)を祀るのを怠りました。丹波(タニワ)の氷上(ヒカミ=兵庫県氷上郡氷上町)に氷香戸邊(ヒカトベ)という人がいました。氷香戸邊(ヒカトベ)は皇太子の活目尊(イクメノミコト=垂仁天皇)に会って言いました。
「わたしには小さな子があります。
自然と(何も教えないのに)こう言いました。
『玉菨鎭石(タマモノズシシ)
出雲人の祭る
真種(マタネ)の甘美鏡(ウマシカガミ)。
押し羽振(ハフ)る、
甘美御神(ウマシカミ)、
底宝御宝主(ソコタカラミタカラヌシ)。
山河(ヤマカワ)の水泳(ミククル)御魂(オンタマ)。
静かかる甘美御神(ウマシミカミ)、
底宝御宝主(ソコタカラミタカラヌシ)』
菨は毛(モ)と読みます。

歌の意味
玉藻の中に静かに眠っています。
出雲の人が祭る、立派な大事な鏡が
すばらしい神が、
水の底に眠っています。
神霊が山河の水に沈んでいます。
静かに掛けて祭らなくてはいけない立派な鏡が
水の底に沈んでいます。

これは小児(ワクゴ)の言葉ではありません。
もしくは(神が)託(ツ)いて言っているのでしょう」
そこで皇太子は天皇に報告しました。
天皇は詔を発して、祭らせました。
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解説

何を意味するか?
イズモノフルネを討伐したのですが、朝廷の討伐を恐れるあまりに、祭祀が疎かになってしまいました。すると丹波のヒカトベという人物が、子供が変な事を言い出したと報告があり、どうやら、水の底に鏡が沈んでいるということで、それを祭った、というお話。

変です。
大国主と関係ないし、イズモノフルネとも関係ない。

個人的コラム

大和朝廷の祭祀を強制したのではないか?
個人的にはこの物語は、出雲に対して大和朝廷が祭祀を強制したという史実を神話にしたものではないか?と思います。オオクニヌシは様々な性質を持っている神ですが「太陽神」ではありません。このページに出てくる「鏡」は太陽の性質を持っています。出雲に「太陽」を祀らせた・・・つまり大和朝廷に参加したという史実なんじゃないでしょうか?
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