水族館のイルカ捕獲問題に見る欧米の知性と魂とその闇

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水族館のイルカ捕獲問題に見る欧米の知性と魂とその闇

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概要

まとめ
●欧米の人にとって「魂」とは「知性」
●よって頭が賢いクジラやイルカには人間と同じように魂があり、同情すべき存在になる。だから可哀想と考える。
●ひっくり返すと、バカは何をされても文句が言えない。
●よって牛、豚などはいくら殺しても構わない。
●文化の違いが、水族館のイルカ捕獲問題になっている。
●まー宗教弾圧みたいなもんですよ。宗教の文化の押し付け。みたいな。

水族館のイルカ捕獲問題

日本の水族館の花形であるイルカショーのイルカの捕獲の仕方が問題となり、欧米が中心となっている団体から、「イルカの捕獲やめろ」と批判がありました。しかし、捕獲の方法といっても、殺しているわけじゃないのです。どうしてそんな批判があるのでしょうか?
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欧米の人にとって魂とは知性

欧米の人にとって「魂」とは知性です。頭がいいということは知性があり、知性があるということは「魂」があるということです。魂があるということは、人間と同じようなもので、感情があり、理性があり、正邪の区別がつくということであり、仲間であり、同胞です。欧米の人はクジラやイルカが「頭がいい」と思っています。だからクジラやイルカを殺したり、残酷な方法を取ると、「かわいそう」となるわけです。
日本人にとって「魂」とは「あらゆる物に宿るもの」
しかし、日本人の「魂」の基準は知性ではありません。日本人にとって「形あるもの」には魂があるという感覚です。人間、動物や虫といった「動くもの」だけでなく、木、石にも魂があります。道具にも魂があります。形があるものには全て魂があるわけです。だから「モッタイナイ」という言葉が成立するのです。物をまだ使えるってのに捨てると、「もったいない」。もったいないという言葉には、「もったいない」ことをすると「バチが当たる」というニュアンスがあります。それは「物・道具」が魂……意思を持っているという感覚が無いと成立しないのです。
勿体無いの「勿体」は「重々しさ」とか「威厳」といった仏教用語ですが、感覚としては日本のアミニズムが無いと意味あいが成立しない、という意味です。
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欧米ではバカは何をされても仕方がない

ところで、クジラやイルカがかわいそう……欧米の人は繊細な感じがしますが、これが大間違いです。知性があるから同情する、ということは「バカは一切同情しない」ってことです。クジラやイルカにはあれほど親身になるのに豚や牛になると平気で毎日食べてしまう。ガチョウを生き埋めにして食料を与えて、肝臓を意図的に脂肪肝……美食家垂涎のフォアグラ……にして食べる。これが残虐じゃなくて、どうしてイルカやクジラがかわいそうになるのか?っていうと、「知性」が「魂」の証拠だからなんです。頭が良いクジラやイルカは助けないといけないけども、「バカ」な牛・豚・ガチョウは何されても文句を言えないってことなんですね。
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19世紀のロンブローゾ

非常に古い話なんですが、19世紀にロンブローゾという学者がいました。ロンブローゾは「知性や理性は生まれながらのもの」という「学説」を唱えました。それは当時もてはやされました。この説によると、犯罪は「遺伝的な病気」であり、バカは「教育しても無駄」ってことになります。この考えがもてはやされたのには理由があります。「黒人の奴隷」です。19世紀の中頃はまだまだ黒人奴隷の時代でした。欧米の人たちは黒人を奴隷として利用していましたが、彼らが「バカでは無い」ことに気づき始めました。まぁ、ちょっと考えればわかることですけどね。しかし、それでは困る。黒人に「知性がある」ということは奴隷には出来ない。「魂」があり、「同胞」だからです。「同胞」を「物扱い」には出来ないのです。そこで白人たちは「奴隷として扱っていい理由」というのを「科学的に証明しよう」としました。
黒人を奴隷にしていい理由を求めて
頭蓋骨の形、指の長さに知性が比例するという、データを集めて、「だから黒人はバカ」という証拠としました。それでは証明にはならないんですが、兎も角、そうしてバカだと証明しようとしました。それで「黒人を奴隷にしていい」という根拠にしようとしました。結局はその目論見は外れて、アメリカの南北戦争後には「奴隷の解放」ってことになっちゃうんです。まぁ、それも「善意」でそうなったというよりは、「奴隷ビジネスが行き詰まった」というのが現実です。奴隷の取引単価が高騰しちゃって(連れ出しすぎて黒人が減って高騰)、先進国は本国の貧乏人雇った方が安上がりになっちゃった(もしくはあんまり変わらない)からなのですね。
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終わりに

イルカ捕獲の手法が…というニュースを見て、わたしは「変わらないなぁ」と呆れつつ、そんなことに必死になるくらい世界は平和なのかもしれないとも思いました。
ちなみに最近の研究ではイルカやクジラと豚や牛の知性は同じくらいだって話もあるらしいです。欧米の人にはそういうのって受け入れられないでしょうね。
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