孝徳天皇(三十六)参河と尾張での馬詐欺

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孝徳天皇(三十六)参河と尾張での馬詐欺

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原文

復有百姓臨向京日、恐所乘馬疲痩不行、以布二尋・麻二束送參河・尾張兩国之人、雇令養飼、乃入于京。於還鄕日、送鍬一口。而參河人等、不能養飼、翻令痩死。若是細馬、卽生貪愛、工作謾語、言被偸失。若是牝馬、孕於己家、便使秡除、遂奪其馬。飛聞若是。故今立制。凡養馬於路傍国者、將被雇人、審告村首首長也、方授詶物。其還鄕日、不須更報。如致疲損、不合得物。縱違斯詔、將科重罪。

現代語訳

百姓がいて、京(ミヤコ)に向かう日が来て、乗る馬が疲れて痩せて行けなくなるなるのを恐れて、布2尋(ヒロ=尋は長さの単位)・麻2束を参河(ミカワ)・尾張(オワリ)の二つの国の人に送って、雇って、馬を養飼(カ)うように命じた。それで京に入る。郷土に帰る日に鋤(スキ)を1口送る。しかし、参河の人たちは馬を養飼できなくて、痩せて死なせてしまう。もし、これが細馬(ヨキウマ=良馬)ならば、貪愛(=むやみに欲しがること)して、巧みに謾語(イツワリコト=嘘)を作って、盗まれたと言う。もし、これが牝馬(メスウマ)で、自分の家で孕めば、すぐに秡除(ハラエ)をして、ついにその馬を奪ってしまいます。噂ではそう聞いている。

そこで今、法制を作ろう。すべての道のほとりの国にて馬を飼っている者、雇われている人は、村首(ムラノオビト)…
首は長です。

に告げて、詶物(オクリモノ=贈り物)を授けなさい。その郷土に帰る日にさらに報酬を渡さないで良い。もし、馬が疲れて損なっていれば、物(=贈り物)は得られない。もし、この詔(ミコトノリ)に違反すれば、重い罪を科す。
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解説

長いこと続くので忘れがちですが、ここのところの詔は東国、つまり関東の民への言葉です。関東の人たちは京に、労役があって行くのですが、馬で関東から京まで乗って行ったらそりゃ、疲れ果てて死んでしまう。そこで、三河・尾張で馬を預けるのですが、馬は繊細な生き物だから…なのかは知らないけども、死なせたり、良馬だからって嘘をついて取られたり、妊娠したら出産させて、その仔馬を自分のものにしたりと無茶なことをするって噂を聞いた朝廷が、「馬を預けるな! 揉めるから!」と自分の村の長に預けるように指示したのがこのページ。
駐車場に車を置いていたら、盗まれた、みたいな訴えがあった、ようなものでしょうかね。

ところで馬が孕んで出産した後にお祓いをするとあるのは、出産の際に出血があるからです。
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