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天皇を英語で皇帝(Emperor)と言う理由(仮説)
TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket天皇を英語で皇帝(Emperor)と言う理由
エンペラーとは何?
ではエンペラーって何よ?というお話になります。
英語圏の人が考えるエンペラーは複数の民族を束ねる人というニュアンスにとらえます。よって日本人しかいない日本の統治者は「king」が妥当だと考えるので、天皇の英語訳が「 Emperor」なのは不思議なんですね。
例えばイギリスの場合は「king(王)」になります。イギリスだってアイルランドを取り込んでいるわけで、複数の民族を束ねているとなるとエンペラーでも良いような気がしますが、エンペラーの意味するものは、あれじゃ小さい。皇帝ってのはもっと大きな国だと考えるのです。例えばローマ皇帝とか。ビザンチン帝国とか。ロシア皇帝とか。
そうなると日本の天皇は尚更、不自然なんですよ。
現在の世界でEmperorは天皇だけ
また、現在、世界中に「王(king)」はたくさん存在するのですが、「皇帝(Emperor)」と英訳されるのはなんと天皇だけです。
実はこれ、ネット上でもちょくちょく話題になるお話で、結局、どうして天皇だけが、そうなのか?は、どこまで言っても結論は出ないんですね。
英語圏の人が考えるエンペラーは複数の民族を束ねる人というニュアンスにとらえます。よって日本人しかいない日本の統治者は「king」が妥当だと考えるので、天皇の英語訳が「 Emperor」なのは不思議なんですね。
例えばイギリスの場合は「king(王)」になります。イギリスだってアイルランドを取り込んでいるわけで、複数の民族を束ねているとなるとエンペラーでも良いような気がしますが、エンペラーの意味するものは、あれじゃ小さい。皇帝ってのはもっと大きな国だと考えるのです。例えばローマ皇帝とか。ビザンチン帝国とか。ロシア皇帝とか。
そうなると日本の天皇は尚更、不自然なんですよ。
現在の世界でEmperorは天皇だけ
また、現在、世界中に「王(king)」はたくさん存在するのですが、「皇帝(Emperor)」と英訳されるのはなんと天皇だけです。
実はこれ、ネット上でもちょくちょく話題になるお話で、結局、どうして天皇だけが、そうなのか?は、どこまで言っても結論は出ないんですね。
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江戸時代の記述
ところで江戸時代に日本に訪れた欧米の人たちは天皇のことをすでに「エンペラー」と言っています。「王」ではないんです。
他にもガリバー旅行記では「日本の皇帝に会った」という記述があります(もちろんフィクション)。どうもエンペラーという表現は日本の事情というよりは、欧米の日本に対するイメージが先にあって、日本といえば「皇帝」が存在するというのがあったよう。だって「複数の民族を束ねるから皇帝」だと欧米人が思っているのならば、江戸時代こそ皇帝を表現するのはおかしい。皇帝という表現には別の理由があるんじゃないかと思います。
オランダ商館付きの医師カール・ツンベリー
(1775年来日)「江戸参府随行記」
「将軍以外にもう一人、宗教上の皇帝(天皇)がいる。その権力は現在、宗教および皇室領に関する事柄に限定されているが、この宗教上の君主すなわち天皇は、過去2000年にわたるこの国最古の君主からつづく正統な一系の子孫に当たる」
(1775年来日)「江戸参府随行記」
「将軍以外にもう一人、宗教上の皇帝(天皇)がいる。その権力は現在、宗教および皇室領に関する事柄に限定されているが、この宗教上の君主すなわち天皇は、過去2000年にわたるこの国最古の君主からつづく正統な一系の子孫に当たる」
出島のオランダ商館長を務めたヘンドリック・ドゥフ
(ヅーフ日本回想録)
「世間多くの著作者が言明する如く、内裏(天皇)は精神的皇帝にして、将軍は政治的皇帝なりといふに非ずして、内裏は本来絶対的主権者なりしこと」
(ヅーフ日本回想録)
「世間多くの著作者が言明する如く、内裏(天皇)は精神的皇帝にして、将軍は政治的皇帝なりといふに非ずして、内裏は本来絶対的主権者なりしこと」
ペリー提督(1853年来日)「ペルリ提督日本遠征記」
「日本は、同時に二人の皇帝を有するといふ奇異なる特質を有してゐる。御一人は世俗的な皇帝であり、他の御一人は宗教的な皇帝である」
「日本は、同時に二人の皇帝を有するといふ奇異なる特質を有してゐる。御一人は世俗的な皇帝であり、他の御一人は宗教的な皇帝である」
フランス海軍士官スエンソン
(1866年来日)「江戸幕末滞在記」
「二宗教の最高権威としてミカドが君臨する。ミカドは神道ではまさに神格化され、神として拝まれているが、仏教の方でも、さまざまな条件により修正をほどこされた宗派では、少し位は落ちるが、一応神としての威厳をミカドに与えている。ちなみに大君(将軍)は、日本の非常に古い憲法(律令)によればミカドの統治官にすぎず、すべての点でミカドの命令に服すべきことになっていた」
(1866年来日)「江戸幕末滞在記」
「二宗教の最高権威としてミカドが君臨する。ミカドは神道ではまさに神格化され、神として拝まれているが、仏教の方でも、さまざまな条件により修正をほどこされた宗派では、少し位は落ちるが、一応神としての威厳をミカドに与えている。ちなみに大君(将軍)は、日本の非常に古い憲法(律令)によればミカドの統治官にすぎず、すべての点でミカドの命令に服すべきことになっていた」
他にもガリバー旅行記では「日本の皇帝に会った」という記述があります(もちろんフィクション)。どうもエンペラーという表現は日本の事情というよりは、欧米の日本に対するイメージが先にあって、日本といえば「皇帝」が存在するというのがあったよう。だって「複数の民族を束ねるから皇帝」だと欧米人が思っているのならば、江戸時代こそ皇帝を表現するのはおかしい。皇帝という表現には別の理由があるんじゃないかと思います。
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安全策としての皇帝
私は「王」という表記ではご機嫌を損ねる可能性があるから「皇帝」と言うようにしていたんじゃないかと思うんですよ。
どういうことかというとですね。
ヨーロッパ人は来日する前には全員が当然、中国を経由するわけです。中国は儒教の国、上下関係を重んじます。仮に中国の皇帝を「王」と表したら、これは一発で首をはねられます。問答無用。事情を知りませんでした!なんて通じない。そこでヨーロッパには「中国では皇帝と表しないと殺される」みたいな常識があったんじゃないかと。
苦労してアジアまで来て、ヨーロッパの常識で「王」って発言したばっかりに殺されたら堪らない。安全策で日本でも「皇帝」と表するようになった、ってところじゃないかと。
どういうことかというとですね。
ヨーロッパ人は来日する前には全員が当然、中国を経由するわけです。中国は儒教の国、上下関係を重んじます。仮に中国の皇帝を「王」と表したら、これは一発で首をはねられます。問答無用。事情を知りませんでした!なんて通じない。そこでヨーロッパには「中国では皇帝と表しないと殺される」みたいな常識があったんじゃないかと。
苦労してアジアまで来て、ヨーロッパの常識で「王」って発言したばっかりに殺されたら堪らない。安全策で日本でも「皇帝」と表するようになった、ってところじゃないかと。
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おまけ
ちなみに元寇の時、モンゴル軍は日本とは通商したかったんです。モンゴル軍は騎馬軍で水軍はダメ。日本と戦っても無駄という認識があり(勝っても利益がないと思っていたか?)、また、中国へと進出するときに背後から日本に襲われても困るからと、日本と講和するつもりでした。それで通商の手紙を使者が日本に持って行ったのですが、そこで天皇のことを「王」と表していたことで怒りを買い、使者は殺され、元寇へとつながります。ただ、コレはモンゴル皇帝が天皇を「王」と表したから問題だったんだと思います。モンゴル皇帝が天皇を王と表したということは「モンゴル皇帝>天皇」という図式を突きつけたということになり、通商を希望したとしても、日本から見れば服属を求めたと思われてもしょうがないことです。
というわけで天皇=エンペラー(皇帝)という英訳は、大航海時代の安全策の名残なんじゃないかと私は推測しています。
というわけで天皇=エンペラー(皇帝)という英訳は、大航海時代の安全策の名残なんじゃないかと私は推測しています。
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個人的には
天皇は皇帝(Emperor)というよりは「法王・法皇(hierophant)」に近いと思う。
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