第十段一書(二)−2貧鉤・滅鉤・落薄鉤

MENU
TOP>日本書紀神代下>第十段一書(二)−2貧鉤・滅鉤・落薄鉤
スポンサードリンク

第十段一書(二)−2貧鉤・滅鉤・落薄鉤

TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket

原文

及至彦火火出見尊、將歸之時、海神白言「今者、天神之孫、辱臨吾處。中心欣慶、何日忘之。」乃以思則潮溢之瓊・思則潮涸之瓊、副其鉤而奉進之曰「皇孫、雖隔八重之隈、冀時復相憶而勿棄置也。」因教之曰「以此鉤與汝兄時則稱『貧鉤、滅鉤、落薄鉤。』言訖、以後手投棄與之、勿以向授。若兄起忿怒、有賊害之心者、則出潮溢瓊以漂溺之。若已至危苦求愍者、則出潮涸瓊以救之。如此逼惱、自當臣伏。」

現代語訳

第十段一書(二)ー2
彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)が帰ろうとするときになって、海神(ワダツミ)は言いました。
「今、天神(アマツカミ)の孫が、このわたしの宮殿に訪れた事は、心からの喜びです。いつまでも忘れないでしょう」
そして、思則潮溢之瓊(オモエバシオミチノタマ)・思則潮涸之瓊(オモエバシオヒノタマ)をその釣り針に添えて渡し、言いました。
「皇孫(スメミマ)は何重もの隈(クマ)が間にあっても(遠くはなれても、という意味)、どうか時には思い出して、忘れないで欲しい」
そして教えました。
「この釣り針をあなたの兄に渡すときに、『貧鉤(マヂチ)・滅鉤(ホロビノチ)・落薄鉤(オトロエノチ)』と唱えて、言い終わえたら後ろ手に投げ捨てて渡してください。面と向かって渡してはいけません。

それで、もし兄の怒りを買ってしまって、危害を加えようとするなら、潮溢瓊(シオミチノタマ)を出して、溺れさせ、もし困って許しを乞うならば、潮涸之瓊(シオヒノタマ)を出して救いなさい。そうやって攻め悩ませれば、自らあなたに従うでしょう」
スポンサードリンク

解説

八重の隈
クマってなんだと。
隈は熊でもあり「神」の語源でもあります。見えないとか隠れるという意味です。では「八重もの隈」とは何か??「谷」じゃないかと思うのです。
後ろ手に投げ捨てて渡す
面と向かわずに、後ろに投げるわけですから、そりゃ兄は怒りますよね。当然ですよ。
想像するに、日本人は道具を「霊威のあるもの」と考えていました。道具が便利なのは霊威があるからです。面と向かわずに道具を渡すということが「霊威を渡さない」ことになるのではないか?と思います。
Pre<<<  >>>Next 
スポンサードリンク

SNSボタン

TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket

ページ一覧

スポンサードリンク

管理人リンク

編集