水歯別命の策略

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水歯別命の策略

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読み下し文

ここに其の伊呂弟、水齒別の命、參い赴きて謁さしめき。 爾くして天皇、詔らさしめく、「吾、汝命、若し墨江中王と同じ心ならんかと疑えり。故、相言わじ」。答えて白さく、「僕は穢き邪しき心無し。また墨江中王と同じくあらず」。また詔らさしめき、「然らば今還り下りて墨江中王を殺して上り來よ。彼の時に吾必ず相言わん」。
故、即ち難波に還り下りて墨江中王に近く習えたる隼人、名は曾婆加理を欺きて云いしく、「若し汝、吾が言に從わば、吾は天皇と爲し、汝は大臣と作して、天の下治さんは那何に」。 曾婆訶理答えて白さく、「命の隨に」。 爾くして多たの祿を其の隼人に給いて曰く、「然らば汝が王を殺せ」。 ここに曾婆訶理、竊かに己が王の厠に入るを伺いて、矛を以ちて刺して殺しき。
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現代語訳

伊呂弟(イロド=同母弟)の水歯別命(ミズハワケノミコト=後の反正天皇)が(石上神宮に)参上し謁見しました。それで天皇は詔(ミコトノリ)しました。
「わたしはお前も墨江中王(スミノエナカツミコ)と同じ気持ちなのではないかと疑っている。語り合うことはやめておこう」
(水歯別命は)答えて言いました。
「わたしには穢れた邪心はありません。墨江中王と同じではありません」
天皇は詔(ミコトノリ)しました。
「それならば、今、引き返して下り墨江中王を殺して上って来なさい。その時、必ず話し合おう」
(水歯別命は)難波に引き返して下りて、墨江中王(スミノエノナカツミコ)のそばに仕えている隼人(ハヤヒト)の曾婆加理(ソバカリ)を欺(アザム)いて言いました。
「もしお前、私の言うことに従えば、私は天皇となり、お前を大臣(オオオミ)と作(ナ)して、天下を治めようと思うが、どうだろうか?」
曾婆加理(ソバカリ)は答えました。
「命(ミコトノリ=命令)のまにまに」
それで数多の禄(タマイモノ=報償)をその隼人に与えて言いました。
「それならばお前の王(=墨江中王のこと)を殺せ」
曾婆加理(ソバカリ)は密かに自分の王の厠(カワヤ=トイレ)に入るのを待って、矛で刺して殺しました。
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解説

上りと下り
日本では天皇がいるところに行くことを「上り」で、天皇から離れることを「下り」と言います。よって還り下りて墨江中王を殺して上り來よ。という言い方になります。
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