ブラック企業が日本で成立する理由は「和」にある

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ブラック企業が日本で成立する理由は「和」にある

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概要

まとめ
●日本人は和の民族。和はグループ。
●和に属するには条件がある。それが「同じ」であること。
●日本人が会社という「和」に属すると、会社の同調圧力がかかる。ブラック企業では「サービス残業」「過労」を会社の同僚たちがやっていると、自分だけが「サービス残業拒否」「5時に退社」という法律で定められた事でも拒否できなくなる。
●対応策は労働の流動性を高めること。
●ブラック企業は成長性に乏しいという風潮を作ること。

ブラック企業が日本で成立する理由

2015年年末になり、アベノミクスのおかげか、日本の景気はかなり良くなってきていると思います。否定する人もいるでしょうが、有効求人倍率が上がってきているのは事実です。またユニクロの柳井会長が「シリア難民を受け入れるべき」と発言したのも、日本の働き手がまともな仕事についてしまって、ユニクロが安い労働力を確保しづらくなっているからでしょう。

そもそも日本で「ブラック企業」が成立することは、欧米から見れば不思議なことです。日本は豊かであり、それなりの技術があれば仕事はあるはず。それにブラック企業で過労死するなんて理解不能です。嫌なら辞めればいいのです。なぜそれを日本人の若者はしないのか。

その大きな理由が「和」です。
●ちなみにもう一つの理由が「新卒信仰」です。
参考日本の新卒信仰の根本は農耕民族の性質
●新卒信仰で新卒者が優遇されて、中途は採用されにくい。よって、会社を辞めるのに躊躇する。だからブラック企業でも退職しづらい。
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ブラックな同調圧力

日本人は和の民族で、「和」というグループに属することを大事にします。和は仲良くし、助け合い、そして和の外と徹底的に戦う仲間です。この「和」の中にいるにはある条件があります。

それは「同じであること」です。

和に属しているためには、同じ和の構成員と「同じ」ように振舞わないといけません。例えば、会社のほとんどの人がサービス残業していたら、あなたもサービス残業をしなくてはいけません。会社の規約でどれだけサービス残業を禁止していても、みんながサービス残業をすれば、必ずあなたもやります。同調圧力です。日本人はこれに弱い。

同調圧力には良いところもあります。例えば、震災の時にどれだけ大変な状況でもほとんどの人がルールを守ろうとします。自分だけがルール違反をするってのは出来ないんです。
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みんながやるから、自分もやらざるを得ない

ブラック企業というのはこの同調圧力を悪用しているわけです。だから状況は改善されない。「皆がサービス残業をやっているのだから」という理由で、どれだけキツくても退社しづらい。同様の理由で会社も辞められない。不満を持つということが否定される。「みんなが納得して働いているのだから、自分だけが不満を持つことがおかしい」となる。産休も有給も、どんなに規約にあっても取りづらい。これはどれだけ法律で規制しても意味がないんです。そういうメカニズムではありませんからね。法律で「有給は取らないといけない」ってやっても、「取ったこと」にしてしまえばいいのです。これは不正なんですが、みんながそうしていたら、あなたもそうせざるを得なくなります。同調圧力というのはすごいわけです。
●ところでどうして日本人はそんなに我慢してまで「和」に属するのかというと、和というのは「仲間には優しいが、外部には厳しい」という性質があるからです。「同じ」であることをやめ、同調しないでいると「外部の敵」となって村八分にあうわけです。これがキツイ。日本人はこれを非常に恐れます。

これに関しては結局、「労働の流動性」を高めることが大事です。
他の会社ではそんなことはやっていない、と考える人が増えれば、逆の同調圧力で、サービス残業はやりづらくなります。
あと、解決方法としてはもう一つ。
ブラック企業は労働力を使い捨てているだけで、成長性はない、ということを社会全体で認識していくことが大事です。
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