白頭山の噴火について(歴史で考える)

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白頭山の噴火について(歴史で考える)

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概要

2016年5月。どうも白頭山が噴火しそう、という記事を見てちょっと書きます。
まとめ
●白頭山は10世紀の前半で噴火している。
●火山灰が日本にまで到着している。
●噴火規模はポンペイ級かそれ以上。以下はない、というレベル。
●ところが中国・朝鮮の歴史書には記述がない。
●日本にはそれっぽい記述が残っているが、それが白頭山かどうかは不明。
●10世紀の前半とその後の一定の期間は朝鮮半島は国家とは呼べないレベルに衰退した。だから記事が残せなかった。
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歴史書に残らない歴史的大噴火

白頭山は北朝鮮と中国国境の山で、北の将軍様がこの山で生まれたとか、どうとか、朝鮮でも特別視される山なんですね。この山、実は1000年前、日本で言うところの平安時代に噴火しているんです。

ところがこの噴火のことが歴史書に全く記載されていない。日本の歴史書に記載されていないことはしょうがないでしょう。遠いんだから。「何か降ってきたな」というのは書いてあるんですね。でも、それが白頭山のかどうかは定かではないんです。問題は、白頭山の噴火が朝鮮の歴史書にも中国の歴史書にも記載がないってところです。日本や朝鮮の地質調査によって、火山灰が残っていることから、ポンペイ級の火山活動だったとされています。正確にはポンペイと同等かそれ以上の火山活動でした。
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当時の朝鮮半島との事情

中国は当時、五代十国時代の戦乱の時代ですし、そもそも朝鮮は僻地中の僻地です。中国は異民族にしょっちゅう侵略されているので、異民族の活動に敏感な民族ですが、朝鮮人だけは一度も中国を侵略したことがないので、気にしてないのかもしれません。まぁ、一番の理由は戦乱でしょう。そんなことまで考えていられなかったな、ってところです。

でも、問題は朝鮮です。10世紀前後ということは朝鮮にはバリバリに文字を残す文化があったはずです。そういうことになっているんですね。でも、朝鮮で12世紀に編纂された三国史記にはそういう記述がない。なぜ無いのか? 「噴火の影響が少なかったから」というのが韓国の学会の定説なんですが、ポンポイ級がそれ以上の噴火で「影響が少ない」というのはありえないし、自然災害を記述しないのは「歴史書」として不自然なんですよ。

もしかすると高麗の成立に致命的な嘘があるんじゃないか?と思います。
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三国史記

676年、新羅が朝鮮半島を統一しました。その新羅は徐々に弱体化し、その新羅の後を継いだのが「高麗」です。新羅は高麗に「国を譲った」ことになっているんですね。これは儒教国では「理想」ではあるんですが「あり得ない」レベルのお話で、おそらく脚色があるのです。普通に考えれば。

それで高麗が「新羅から国を譲ってもらった」証拠をして作ったのが三国史記です。三国史記は新羅が「正統に半島統一」して「正統に高麗に譲った」経緯を描いた歴史書です。そういう事情を鑑みると脚色があるのはしょうがないことなんですよ。
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個人的な推理

でも、白頭山の噴火が描かれていない、ってところを見ると、こういうことじゃないかと私は思っています。

新羅は半島を統一してから発展した。唐との関係は緊張状態にあったが、新羅は滅ぼされなかった。唐も新羅があることでメリットがあった。新羅を通じて、北方異民族と交易ができた。中国人は北方異民族の侵略を度々受けていて、その度に大ダメージを食らう。異民族と関わりたくないが、新羅を通じてならいいだろう。新羅は唐と敵対しつつも唐と北方異民族との交易で文化と利益を得ていった。

唐が滅亡。五代十国時代に突入。だが、新羅は交易を続けることができた。むしろ新羅の価値は高まったのかもしれない。交易はめちゃくちゃ儲かるから、新羅と交易したい国は多かったでしょうよ。むしろ価値が高まったことで、中国に近い百済や、北方異民族に近い高句麗の地域が「なんで新羅の言うこと聞かなくちゃいけないんだよ!」と独立したんじゃないかな?と。それで後百済や後高句麗が出て、また朝鮮半島はバラバラになる。後高句麗が高麗となり、高麗が半島と統一するのですが、この途中のどこかで「白頭山が噴火している」んですね。

白頭山が噴火した。白頭山の火山灰は偏西風に乗って南の新羅の首都までは飛んで来なかったが、北朝鮮のかなり広い地域を火山灰で埋め尽くし、交易が出来なくなった。交易ができない朝鮮半島は中国にとって無意味。朝鮮半島は急速に衰退。新羅が、じゃなくて、全体がもはや「国家」と呼べないレベルに衰退したんでしょう。自治体か、下手すりゃ自治会レベルです。だから白頭山の噴火の記事を書くことができなかった。

そんなところじゃないかなと。
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結論?

白頭山の噴火は短い期間に一回だけじゃなくて、日本側の火山灰の調査によると2回はあった。でもそれは日本まで火山灰が届いたケースで、半島内で断続的に噴火していたと考えた方が自然なんじゃないかと思います。
そんな国で「噴火の記事」が残らないなんておかしい。そんなのは記事に残っていなくても伝承で残るでしょう。もしかすると10世紀の前半で朝鮮半島は一旦、文化が途絶しているんじゃないか? つまり噴火後、かなり衰退し、その衰退がその後も長期間続いた。だから文化が途絶した。記事も伝承も残らなかった。
そんなところじゃないかと。
ただ、儒教国の朝鮮は絶対に認めないでしょうが。
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