天智天皇(四十九)崩御・3つの童謡

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天智天皇(四十九)崩御・3つの童謡

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原文

十二月癸亥朔乙丑、天皇崩于近江宮。癸酉、殯于新宮。于時、童謠曰、

美曳之弩能 曳之弩能阿喩 阿喩舉曾播 施麻倍母曳岐 愛倶流之衞 奈疑能母騰 制利能母騰 阿例播倶流之衞 其一
於彌能古能 野陛能比母騰倶 比騰陛多爾 伊麻拕藤柯泥波 美古能比母騰矩 其二
阿箇悟馬能 以喩企波々箇屢 麻矩儒播羅 奈爾能都底舉騰 多拕尼之曳鶏武 其三

現代語訳

(即位10年)12月3日。天皇は近江宮で崩御しました。
12月11日。新宮(ニイミヤ)で殯(モガリ)しました。その時代に動揺(ワザウタ)して言いました。
み吉野(エシノ)の 吉野の鮎(アユ) 鮎こそは 島傍(シマヘ)も良(エ)き え苦(クル)しゑ 水葱(ナギ)の下(モト) 芹(セリ)の下(モト) 吾(アレ)は苦しゑ その1
歌の訳
み吉野の、吉野の鮎、鮎は川の中の岩の側にいる。苦しいよ。水葱(ミズアオイ=水草の一種)や芹(セリ=植物)の下にいるので私は苦しい。

臣(オミ)の子の 八重の紐解く 一重だに いまだ解かねは 御子(ミコ)の紐解く その2
歌の訳
臣下である子が、八重の紐を解く。一重も解かないのに、御子はもう紐を解いてしまった。

赤駒(アカゴマ)の い行(ユ)き憚(ハバカ)る 真葛原(マクズハラ) 何(ナニ)の伝言(ツテコト) 直(タダ)にし良(エ)けむ その3
歌の訳
早く走るという赤い馬が行くのも嫌がる葛の原っぱ。その葛の原っぱでなかなか進まないように、伝言が伝わらない。直接、言ったらいいのに。
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解説

歌はそもそもは
その1はそもそもは漁民の歌。
その2は高貴な人を迎えた女の歌。
その3は直接に愛の言葉を伝えて欲しい女の歌。
それを政治関係にしたもの。

その1は吉野に隠遁した大海人皇子の苦悩を現したのではないかなと。
その2は大海人皇子が戦争の準備ができた!という意味。
その3は大海人皇子と大友皇子の交渉がうまく行かない様子を表しているとされます。

と言っても、解釈はいろいろとあります。

ところで、その3が仮に「交渉の様子」を表しているのならば、大友皇子と大海人皇子の戦争は「誤解」や「感情の行き違い」から起きたものだという「世間の認識」があったということになります。
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