古語拾遺47 跋

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古語拾遺47 跋

投稿日時:2019-09-11 19:41:25
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原文

前件神代之事 説似盤古 疑氷之意 取信寔難 雖然 我国家神物靈蹤 今皆見存 觸事有効 不可謂虚 但 中古尚朴 禮樂未明 制事垂法 遺漏多矣 方今 聖運初啓 照尭暉於八洲 寶暦惟新 蕩舜波於四海 易鄙俗於往代 改粃政於當年 隨時垂制 流萬葉之英風 興廢繼絶 補千載之闕典 若當此造式之年 不制彼望秩之禮 竊恐 後之見今 猶今之見古矣 愚臣廣成 朽邁之齡 既逾八十 犬馬之戀 旦暮彌切 忽然遷化 含恨地下 街巷之談 猶有可取 庸夫之思 不易徒棄 幸遇求訪之休運 深歡口實之不墜 庶斯文之高達 被天鑑之曲照焉

大同二年二月十三日
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現代語

前のくだりの神代のことは、中国の盤古(バンコ)に似ている。(冬に死ぬ夏の虫が)氷の存在を疑うのに信じさせるのは、全く難しいことである。しかし、我が国の神や神宝の霊験の証拠は、現在の我々は見ている。事に触れて霊験の証拠があるのだから、嘘と言うべきものではない。ただ、中古(大化の改新ごろ)にはまだ純朴であったので礼楽(礼儀と音楽)はまだハッキリとはなっていなかった。事を制定し、法を施行するのでも漏れていることが多かった。
現在、聖運(=天皇の命運)はひらけ、尭暉(ギョウキ=中国の皇帝の尭のような輝き)が八洲(ヤシマ=日本のこと)を照らし、宝暦を維新(=改元のこと)して舜波(シュンパ=中国の皇帝の舜のような波)を四海に漂わせ、鄙俗(ヒゾク=低俗な)な風習を古いものに変え、中身のない粃のような政治を改めました。その時代に従って、法を作り、万葉(マンヨウ=ずっと続く)の英風(エイフウ=優れた教化)を伝え、優れていたが廃れたものを興し、絶えたものを継ぎ、千載の闕典(センザイノケッテン=長年の不完全な文書)を補いました。もし、この式(=律令制度での細かいルール)を作る年になり、この祭祀の儀礼を制定しないのは、恐れ多いことであり、後の時代から今を見ることは、今から古代を見るようなものである。

愚臣である斎部広成(=筆者)は年老い、80歳を超えて、犬や馬が主人を恋こがれているように、旦暮(=朝夕)にいよいよ切になっています。このまま遷化(=死ぬこと)してしまえば、恨みを地下(シタツクニ)に持っていくことになる。街巷の談(ガイコウノモノガタリ=巷の話)にも取り上げるべきものがあり、庸夫(ヨウフ=凡人)の思いも諦めるのは簡単ではありません。

幸いに(平城天皇から)求め、訪ねられる休運(オオミヨ)に会い、口伝が落ちないことを深く喜びます。願わくば、この文書を(天皇まで)高く届けて、天皇にご覧になってもいただきたいものです。

大同二年二月十三日
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