古語拾遺46 御歳神

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古語拾遺46 御歳神

投稿日時:2019-09-11 19:00:41
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原文

一 昔在神代 大地主神 營田之日 以牛完食田人 于時 御歳神之子 至於其田 唾饗而還 以状告父 御歳神發怒 以蝗放其田 苗葉忽枯損似篠竹 於是 大地主神 令片巫 【志止止鳥】 肱巫 【今俗竈輪及米占也】 占求其由 御歳神爲祟 宜獻白豬白馬白鶏 以解其怒 依教奉謝 御歳神答曰 實吾意也 宜以麻柄作桛桛之 乃以其葉掃之 以天押草押之 以鳥扇扇之 若如此不出去者 宜以牛完置溝口 作男莖形以加之 【是 所以厭其心也】 以薏子蜀椒呉桃葉及鹽 班置其畔 【古語 薏玉都須玉也】 仍 從其教 苗葉復茂 年穀豊稔 是 今神祇官 以白豬白馬白鶏 祭御歳神之縁也
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現代語訳

昔の神代に大地主神(オオナヌシノカミ)は田を造営する日に牛の肉を田人(タヒト=農夫)に食べさせました。そのときに、御歳神(ミトシノカミ)の子がその田にやってきて、饗(アヘ=ここでは牛肉)に唾を吐いて帰り、その状況を見て父(=御歳神)に報告しました。御歳神は怒り、蝗(オオネムシ=バッタ)をその田に放ちました。苗の葉はたちまちに枯れて、損なわれて篠竹のようになりました。そこで大地主神は片巫(志止止鳥・シトトトリ)・肱巫(ヒジカムナギ=現在の世での竈輪【カマワ】と米占【ヨネウラ】です)をして、その理由を占い求めたところ
「御歳神の祟りです。白猪(シロイ)・白馬(シロウマ)・白鶏(シロカケ)を献上して、その怒りを解くべきです」
と言いました。その教えのとおりに謝り奉りました。御歳神は答えて言いました。
「まことに我が意志である。麻柄(アサガラ=麻の茎の皮を剥いだもの)を桛(カセヒ=糸を巻きつける道具)を作って、これに巻きつけて、その葉で(蝗を)払い、天押草(アメノオシクサ=ゴマノハクサ)で(蝗を)押し、烏扇(カラスオウギ=ヒオウギ)で(蝗を)扇ぎなさい。もし、そうしても(蝗が)出て去らなければ、牛の肉を田の溝の口に置いて、男茎(オハセ=男性器)を作って加え置いて
これは御歳神の心を和ませるものです。

薏子(ツスダマ=ハトムギ)・蜀椒(ハルハジカミ=山椒)・呉桃(クルミ)の葉と塩をその畔に分けて置いておきなさい。
古語では薏子は都須玉(ツスダマ)と言います。

と言いました。
それでその教えに従うと、苗の葉がまた茂って、年穀豊稔(タナツモノユタカ=穀物がよく実った)しました。現在の神祇官は白猪・白馬・白鶏で御歳神を祀る由縁です。
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解説

大地主神が豊作祈願のために宴会をすることにした。宴会というか祭りですね。その祭りで牛肉が振る舞われた。その牛肉に対して御歳神の子供の神がやってきて、唾を吐いて帰り、父親である御歳神に報告したところ、祟りが起きた。
●かつては牛肉を食べていた、ということになる。

そこで大地主神は占いをして神の意志を訪ねた。片巫は鳥を使った占いか鳥に関わる名前を持った巫女の占いだけどよく分からない。肱巫もよくわからない。
で、「牛肉じゃなくて、白猪・白馬・白鶏を献上しろ」と言う。
そのあとは細かい害虫よけの呪術方が書いてある。その術も効かなければ牛の肉に男性器の形のものを作って置いて、ハトムギ・山椒・クルミの葉と塩を置けと言う。
これで害虫の問題は解決した。

天武天皇の時代に食肉禁止とされている。実際にこれ以降、肉食をしていないという訳じゃないが、「禁止」にはなっている。このページでは牛肉を食べていたことはわかるが、その後に肉を食べているのかは微妙。肉を神に献上している記述はあるが。
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