日本書紀

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日本書紀

漢字・読みニホンショキ
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日本書紀とは?

日本の正史
日本の正史として書かれた書物。完成は720年。日本の正史を書物として――文字として残すことで、大和朝廷の権威付けのために作られたと考えられる。文章が漢文で書かれていることから、中国への外交上の目的があったと考えられる。
ややこしくて読みにくい
実は長い間、日本書紀が日本の古代の歴史を現していると考えられていたのですが、現在ではどちらかというと古事記の方がメインとされます。理由は日本書紀は「ややこしい」からです(それだけじゃないのですが)。日本書紀は、日本が出来た最初の部分だけでも数個の「一書(あるふみ)」が用意されていて――神話としてはおかしなことですが――異論がいくつかあげられるという形式になっています。日本書紀が大和朝廷の権威付けの目的で書かれたのならば、一番都合のいい物語だけでを書けばそれで済むのに、妙に客観的な立場を取った理由はよく分かっていません。これは当時の書物のなかでも非常に先進的です。中国でも異論を併記する本はありますが、これらが登場するよりも前に日本でこういった併記がされたのは面白いことです。

というわけで古事記の方がよく読まれている
古事記の方が成立が早く、また脚色、まとめが強い傾向があります。つまり読みやすい。

日本書紀に一書が付いてくる理由

井沢元彦の逆説の日本史にありました。

怨霊信仰がその理由ではないか?
日本で怨霊信仰が始まったのは平安時代とされてはいますが、それ以前から恨みを残して死んだ人間は「タタリ」を起こすという考えがあったのではないか?とも言われています。
●平安時代に突然怨霊信仰が生まれたと考えるのも不自然。その土台となるものはそれ以前からあったと考えた方がよい。

政治的敗者を切り捨てない
日本の源氏物語は政治勝者の藤原道長が藤原彰子(道長の娘)の付き人だった紫式部に書かせたもの、と言われています。しかし、藤原氏がなぜかつての政敵である「源氏」を主役にしたのか? 

それは政治的敗者を讃えることで「怨霊化」を防ぐ目的があったからです。
日本書紀も怨霊化を防ぐものでは?
物語という言葉は「モノ(=神・霊)」「語る」で、本来は「神話」というニュアンスをもっていたのでしょう。そもそも日本人にとっては「物語」「小説」だけでなくマンガ、アニメに至るまで全て「神話」の意味があります。つまり物語とは霊的な意味を持っているのが当然で、古事記や日本書紀にもそもそもそういった意味があったのでしょう。しかし、「怨霊化を防ぎましょうね」とは書きません。当たり前だからです。

もしかすると古事記の冒頭で「間違った神話が流布していることを危惧した」という記述も「間違った神話が流布することによって(過去の政治的敗者が怨霊となり、タタリを起こすことを)危惧した」という意味だったのかもしれません。

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個人的コラム

怨霊と日本書紀
日本では物語は鎮魂の意味がある、となると日本書紀と古事記の関係は少し変わってきます。古事記で描いた物語すら、決して天皇を完全に賛美しているとは言えません。祟神天皇の時代ではオオモノヌシのタタリがあり、神の宣託に背いて仲哀天皇が死んでしまったりです。

それでもアマテラスの系統を引き立たせるために出雲系の神をないがしろにしたり、藤原氏(中臣氏)の祖神タケミカヅチをやたらと活躍させたりと、おそらく本来の活躍したであろう神(つまりそれを祭る氏族)に失礼を働いています。
そこで日本書紀で補てんを?
日本書紀では一書という書き方で別伝を添えるようになっています。これは政治的敗者が残した神話を「別伝」という形ではありますが残すことで、鎮魂しているのではないでしょうか。

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