釣り針を無くした

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釣り針を無くした

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原文

是に其の兄火照命、其の鉤を乞ひて曰ひけらく、「山佐知も、己が佐知佐知、海佐知も、己が佐知佐知。今は各佐知返さむ。」と謂ひし時に、其の弟火遠理命、答へて曰りたまひけらく、「汝の鉤は、魚釣りしに一つの魚も得ずて、遂に海に失ひつ。」とのりたまひき。

現代語訳

兄の火照命(ホデリ命)がその釣り針を求めて言いました。

「山佐知(ヤマサチ=山の獲物)を取るには、山の道具を山幸彦が使うべきだし、海佐知(ウミサチ=海の獲物)を取るには、海の道具を海幸彦が使わないと上手く得られない。だから交換した道具を、元に戻そう」

すると弟の火遠理命(ホオリ命)が答えました。
「あなたの釣り針で魚釣りをしたのですが、一匹も釣れずに、無くしてしまいました」
と言いました。
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解説

このお話は山幸彦(つまりは猟師)であるホオリ命が、兄を打ち倒して次の皇子となるという結末を迎える物語ではあるのですが、これ以降をもってしても、どこまでも兄海幸彦(つまろ漁師)のホデリ命に非がないのです。一応敵役なのですが、これを持って「悪者」とするには……ねぇ。

まずこの場面ではホオリ命が釣り針を無くしてしまいます。古代では当然ながら貴重品でしょうし、「サチ」つまり「道具」には「神霊」が宿り、その神霊の力によって獲物(つまり幸)が得られる――と考えているのですから、単なる「モノ」とは違います。

そういう別の視点を持ってみるとこの話はなかなか理不尽で面白いです。
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