渡来系技術者達

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原文

この和邇吉師は文首(フミノオビト)等の祖。また手人(テヒト)韓鍛(カラカヌチ)名は卓素(タクソ)、また呉服(クレハトリ)の西素(サイソ)二人を貢上り、また秦造(ハタノミヤツコ)の祖、漢直(アヤノアタヒ)の祖、また酒を醸むことを知れる人、名は仁番(ニホ)亦の名は須須許理(ススコリ)等参渡り来つ。

現代文訳

ワニキシは文首(フミノオビト)等の祖先です。

技術者の朝鮮系鍛冶師の名は卓素(タクソ)
中国の呉の国の機織技術者の西素(サイソ)
の二人を百済の国は献上しました。

また
秦造(ハタノミヤツコ)の祖先であり
漢直(アヤノアタヒ)の祖先でもあり
酒の醸造法を知っている人物の仁番(ニホ)
またの名を須須許理(ススコリ)などが日本に渡来しました。
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解説

ワニキシは論語と千文字を持ってきた人物。文官だったのでしょう。他には朝鮮系の鍛冶師タクソ、衣服の技術者サイソ、そして酒を作るススコリ。

日本には当時、漢字も鍛冶技術も衣服も酒もあったはずです。しかし、その手法などが珍しかったのでしょう。あたらしい技術が入ってきて、「文化」の素晴らしさに血湧き肉踊ったのでしょう。

注意すべきこと
渡来系と書きましたが、その技術は大抵が中国由来で、しかもその技術者は朝鮮人とは限らない。ここに日本人の誤解があるのではないかと、思います。渡来系とはもっとざっくりした「外人」と同じニュアンスです。
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