持統天皇(三十二)陰雨が続くので酒宍を禁じ、お経を読ませる

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持統天皇(三十二)陰雨が続くので酒宍を禁じ、お経を読ませる

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原文

六月、京師及郡国卌、雨水。戊子、詔曰「此夏陰雨過節、懼必傷稼。夕惕迄朝憂懼、思念厥愆。其令公卿百寮人等禁斷酒宍・攝心悔過、京及畿內諸寺梵衆亦當五日誦經。庶有補焉。」自四月雨、至于是月。己未、大赦天下、但盜賊不在赦例。秋七月庚午朔壬申、天皇幸吉野宮。是日、伊豫国司田中朝臣法麻呂等獻宇和郡御馬山白銀三斤八兩・アラカネ(金偏に?)一籠。丙子、宴公卿、仍賜朝服。辛巳、天皇至自吉野。甲申、遣使者祭廣瀬大忌神與龍田風神。

現代語訳

(即位5年)6月。京師(ミヤコ)と郡国40に雨水(アメ)が降りました。
5月18日。詔(ミコトノリ)して言いました。
「この夏は、陰雨(ナガアメ)であり、季節とは違っている。おそらく、このままいけば必ず、稼(ナリワイ=生業=農業)を損失がある。朝から夕まで心を痛め、夕から朝まで憂い恐れることになる。その誤りを思うに……公卿(マヘツキミ=臣下)・百寮人(ツカサツカサ=役人)たちに、酒宍(ミキシシ=酒と肉食)を禁じ、断じて、心を収めて、悔過(カイカ=自分の罪を懺悔すること)させなさい。京と畿内の諸々の寺の梵衆(ノリノシドモ=僧たち)は、5日間、お経を読みなさい。願わくば、その効果がありますように」
4月から雨が降って、この月(=6月)になりました。
6月20日。天下に大赦をしました。ただし、盗賊は大赦の例に入れませんでした。

秋7月3日。天皇は吉野宮に行きました。この日に伊予国司の田中朝臣法麻呂(タナカアソミノリマロ)たちは、宇和郡(ウワノコオリ)の御馬山(ミマノヤマ)の白銀(シロカネ)三斤八両・荒金(アラカネ=掘り出したままの鉱石)を1籠を献上しました。
7月7日。宴公(マヘツキミ=臣下)が宴(トヨノアカリ)をしました。朝服(ミカドコロモ)を与えました。
7月12日。天皇は吉野から帰りました。
7月15日。使者を派遣して広瀬大忌神と竜田風神を祭らせました。
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解説

4月から雨が降って6月まで降り続くなんて異常です。
私はこの長雨を止める儀式が「天岩戸の儀式」ではないか?と思っています。

でも天岩戸では、宴会をして大騒ぎして太陽をおびき出しているのに対して、ここでは酒を禁じて、お経を唱えています。やってることが真反対。まぁ、結局6月いっぱい雨が降って、この対処法は失敗に終わったわけですけどね。
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