雄鶏を殺せ…高麗の新羅征伐に怯える王

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雄略天皇(二十八)雄鶏を殺せ…高麗の新羅征伐に怯える王

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原文

於是、新羅王、乃知高麗僞守、遣使馳、告国人曰「人、殺家內所養鶏之雄者。」国人知意、盡殺国內所有高麗人。惟有遣高麗一人、乘間得脱、逃入其国、皆具爲說之。高麗王、卽發軍兵、屯聚筑足流城(或本云、都久斯岐城)、遂歌儛興樂。於是、新羅王、夜聞高麗軍四面歌儛、知賊盡入新羅地、乃使人於任那王曰「高麗王征伐我国、當此之時、若綴旒然、国之危殆、過於累卵、命之脩短、太所不計。伏請救於日本府行軍元帥等。」

現代語訳

新羅王は高麗が騙して新羅を守っていると知って、使者を派遣して走らせ国人(クニビト=国民)に告げて言いました。
「国民よ。家の中に養っている鶏のオスを殺せ」
国民はその意図を理解して、ことごとく国内の高麗人を殺しました。残った高麗人が一人いて、隙をついて脱出することができました。高麗に逃げ帰って、みんなに詳細を説明しました。高麗の王は軍兵(イクサ)を興して、筑足流城(ツクソクロノサシ)に駐屯しました。
ある本によると都久斯岐城(ツクシキノサシ)といいます。

歌と舞で楽(こゑ=宴会)をしていました。新羅王は夜に古来の軍の四面から歌と舞が聞こえて、賊(アタ=敵)がことごとく新羅の土地に入ったことを知りました。すぐに人を任那王のもとへと派遣して言いました。
「高麗王は我が国を征伐する。これでは吊り下げられた長い旗のように、高麗に振り回されるばかりだ。国の危機は卵を重ねるようなもので、命の長短を計ることができない。伏して(=頭を下げて)救いを日本府(ヤマトノミコトモチ)の行軍元帥(イクサノキミタチ)に請い願いたい」
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解説

雄鶏と高麗
中国,吉林省集安県にある高句麗の壁画古墳である「舞踊塚」には、向き合う二匹の雄鶏が描かれています。高句麗(=高麗)では雄鶏を特別視していたのかもしれません。このページの「雄鶏を殺せ」という言葉を聞いたら、新羅の人なら「あぁ、高麗人を殺せって意味だな」とピンと来るくらいに「雄鶏=高麗人」というのが当たり前に結びついていた筈です。
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