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敏達天皇(五)鯨が船の櫂を食べたから・送使難波の言い訳
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八月甲午朔丁未、送使難波、還來復命曰「海裏鯨魚大有、遮囓船與檝櫂。難波等、恐魚呑船、不得入海。」天皇聞之、識其謾語、駈使於官、不放還国。
現代語訳
(即位2年)8月14日。送使難波は帰ってきて、天皇に報告をして言いました。
「海の裏(ウチ)に鯨魚(クジラ)の大きなのが居て、船と檝櫂(カジサオ=船を漕ぐオール)を待ち受けて食べました。難波たちは魚が船を飲むのを恐れて、沖へと行けませんでした」
天皇はそれを聞いて、嘘だと分かりました。そこで難波を官(ツカサ=役人)に仕えさせ、故郷の国へと帰させませんでした。
「海の裏(ウチ)に鯨魚(クジラ)の大きなのが居て、船と檝櫂(カジサオ=船を漕ぐオール)を待ち受けて食べました。難波たちは魚が船を飲むのを恐れて、沖へと行けませんでした」
天皇はそれを聞いて、嘘だと分かりました。そこで難波を官(ツカサ=役人)に仕えさせ、故郷の国へと帰させませんでした。
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解説
そりゃバレるでしょ
難波は、使者を高麗へと送らなくちゃいけないのですが、途中で殺してしまって、さっさと大和へと帰ってきた。それで報告した。
「クジラがいてさー!」
クジラがいたから、海へは出れなかった。なんというか、中学生の遅刻の言い訳のよう。それで天皇は嘘だと見抜いて、難波を役人として仕えさせて、実家である吉備へと帰られなくした、というわけです。
大和とその他の関係
大和朝廷に参加している国はおそらく、人材を大和朝廷に差し出したのです。差し出したといっても、期間限定で、お勤めが終わったら、故郷に帰ることができた。
もしかすると難波は早く吉備に帰りたくて、高麗の使者を殺してしまったんじゃないでしょうか。
難波は、使者を高麗へと送らなくちゃいけないのですが、途中で殺してしまって、さっさと大和へと帰ってきた。それで報告した。
「クジラがいてさー!」
クジラがいたから、海へは出れなかった。なんというか、中学生の遅刻の言い訳のよう。それで天皇は嘘だと見抜いて、難波を役人として仕えさせて、実家である吉備へと帰られなくした、というわけです。
大和とその他の関係
大和朝廷に参加している国はおそらく、人材を大和朝廷に差し出したのです。差し出したといっても、期間限定で、お勤めが終わったら、故郷に帰ることができた。
もしかすると難波は早く吉備に帰りたくて、高麗の使者を殺してしまったんじゃないでしょうか。
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敏達天皇(日本書紀)の表紙へ
- Page1 敏達天皇(一)出自と百済大井宮
- Page2 敏達天皇(二)烏の羽に書いた高麗の国書を王辰爾は読む
- Page3 敏達天皇(三)館の中庭での大使の暗殺
- Page4 敏達天皇(四)吉備海部直難波による高麗使者の殺害
- Page5 敏達天皇(五)鯨が船の櫂を食べたから・送使難波の言い訳
- Page6 敏達天皇(六)難波の罪を数える
- Page7 敏達天皇(七)田部の名籍を白猪史の胆津に
- Page8 敏達天皇(八)皇后と妃と子息子女
- Page9 敏達天皇(九)任那のことは怠ることがないように
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