先進国であるはずの日本が社畜ばかりの理由

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先進国であるはずの日本が社畜ばかりの理由

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概要

まとめ
●日本は国民総社畜社会。
●みんなが貧しかった時代に汗水垂らして働くのは分かるが、社会が豊かになっても、変わらず汗水垂らして働き、休みもなく、バカンスもなく、余裕のないのはおかしいのではないか?
●日本人は労働を美徳だと考えている。
●日本人はそれ以上に金儲けは穢れていると考えている。
●生きる以上の労働は穢れている、という感覚がある。
●結果、社畜社会になる。
●新しい教育が必要だ。

先進国なのに社畜社会

日本は先進国です。
国民総生産で世界3位。極東の世界の端っこの島国にしては出来過ぎと言っていいでしょうよ。ところが日本は先進国であるはずなのにブラック企業が幅を利かせて、国民総社畜状態。まぁ、それは言い過ぎかもしれませんが、ヨーロッパやアメリカの人たちが法律に定められた労働時間を守られ、毎年一ヶ月バカンスを過ごすことを考えれば、日本の労働者は疑いようもなく明らかな社畜です。

で、ここではなぜ日本が社畜天国なのかを述べています。
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高度経済成長しても社畜

戦争に負け、日本は焼け野原でした。全員が貧しい時代、そんな時にみんなが馬車馬のように働いたとしても、それは誰も疑問に思いません。みんなが生きることに必死でしたから、必死に働くのは当たり前でした。必死に働くのは貧困から抜け出すためでした。でもそういう時代が終わり、社会が安定し、物があふれる時代になっても、みんなは余裕を持って生活するということをしませんでした。

なぜでしょうか。
日本人は組織に依存する
ブラック企業が日本で成立する理由は「和」にある』でも書いたのですが、日本人は「和」の民族です。和という集団に属し、和のルールを守り、和に自分の価値を依存します。欧米では全知全能の神が人間を作っています。神が人間を作った以上は、無駄な人間なんていないんです。完璧に計算して人間を作っているからです。だから人間は生まれた時点で「意味がある」のです。でも、日本人は神様が人間を作っていません。となると、個々人の存在意義は神に依存しない代わり、別の何かで補填しないといけません。それが「和という集団」です。和に自分の存在価値を依存します。集団からハブられるのが日本人は一番怖い。だから集団が「サービス残業するべき!」「過労死寸前まで働くのが正義!」という価値観を持つと、日本人はそのルール(価値観)から逸脱することが出来ません。

というわけで日本は会社組織に依存するし、会社組織のブラックなルールを真面目に守っちゃうんですね。でも、これは、ブラックな会社に個人が依存する理由にはなっても、日本全体が社畜になる理由にはなりません。

日本の社会全体が社畜になるのはまた別の理由があります。
それは「金は穢れている」という日本の価値観です。
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金儲けの穢れが社畜の根本

穢れ
日本人は穢れを非常に嫌います。
最初の最初、穢れの根本は病気や腐食物でしたが、どんどんと穢れの範疇は増えていって、いろんなものが「穢れ」に含まれるようになりました。
金儲けの穢れ
その穢れの中に「金」が入るのです。
正確にいうと「金」が穢れているんじゃなくて、「金銭欲」という穢れを嫌うのです。お金に対する欲を嫌う。お金儲けに邁進することを「穢らわしい」と考えていて、お金のために必死になっていると思われなくない。必死に労働することは「清らか」なんですよ。汗をかいて泥にまみれても、それは穢らわしいということはない。むしろ美徳です。ただそれは「生きるための労働」の範囲ならばの話。生きる以上の「ただの金儲け」は「穢れてる」と日本人は考えているんです。
●欲を嫌うのは仏教の影響もあるでしょう。仏教では解脱を目標としていて、解脱に必要なのは執着心を捨てること。つまり欲を捨てることは基本中の基本。必須です。
●儒教国では汗水流して働くことは美徳ではなく、汗をかくことは恥です。
●日本は現在よりもバブル期の方が累進課税制度がキツかったです。収入が多い人ほど、税率が高かった。昭和49年で最大75%・昭和59年で最大70%。つまり、会社は優秀な人間にお金を払っても払っても税金になって消えるだけ。だから会社は優秀な人間だからと言って給与を多く出さなかった。この累進課税を取ったのは深い意味はなかったのだけど、金儲けをする人は「穢らわしい」という感覚はあったと思う。
●欧米では累進課税制度をすることで、高収入の人間がワーカホリックにならないように抑制する効果がある。優秀な人間に給料を出さないということは仕事が減るからです。しかし、日本では和の民族なので、優秀だからといって定時帰宅は出来ない。優秀な人ほどサービス残業・無給労働が増える。
●政策は文化に合わせて変えていかないといけない。欧米がそうだから、日本もそうする、では失敗する。

みんなが貧乏な時代。みんなが汗をかいて泥にまみれて働いていた。それは美徳。でも、高度経済成長に入り、豊かになってくると、これ以上、必死に働くというのは「生きるための労働」じゃないんです。ただお金を儲けようとしている「欲」です。
となると、お金は貰えない。
貰いたくない。
もらったら恥です。

栄養ドリンクを飲んで徹夜して仕事をすることを…
長い通勤時間を…
サービス残業を…
いかに人生を会社に捧げているのかを…
家族を犠牲にしているのかを…
自虐気味ながらも、どこか誇らしげに自慢する。自慢にはならないはずなのに、無理して労働することを「良し」とする。そこには金儲けを穢れと考える日本人の性質があるのです。
これが日本の「社畜文化」の根本です。
●そこに和の性質が拍車をかけていますよね。
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解決方法

私は「お金を稼ぐ」とは穢れたものではない、という根本的な感覚を養うように小学校から教育するべきだと思いますね。つまり変えることは十分可能だってことです。
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