日本最古の男色(同性愛)の記述

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日本最古の男色(同性愛)の記述

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日本最古の男色(同性愛)の記述

まとめ
日本書紀神功皇后に阿豆那比之罪という記述がある。
●小竹祝(シノノハフリ)と天野祝(アマノノハフリ)が同じ場所で合葬してあるために、昼も夜のような状態になった!というのが日本で最古の同性愛記述とされる。
●果たして、この記述が本当に同性愛の記述なのかは分からないが、一般的にはそう言われる。
●阿豆那比之罪は同性愛を罪としているようには見えない。二人を別々の墓に埋葬したら、昼が戻ってきたとあるので、合葬が罪だったとしたと考えるのが自然。

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阿豆那比之罪

日本最古の男色(同性愛)の記述として有名なのが「阿豆那比之罪(アズナイノツミ)」です。

詳細
神功皇后が朝鮮征伐から帰って来て、忍熊王と「さぁ決戦だ!」という時のことです。紀伊の国に入って、準備をしていると、どうも昼が来ない。ずっと夜のような状態でした。それで調べてみると、
「二つの社に二人の神官を葬っているから」
ということが分かります。
ではどうして、二人の神官を一緒に葬ったのかというと……
神官の名前は小竹祝(シノノハフリ)と天野祝(アマノノハフリ)でした。祝というのは神官の役職名ですから、小竹さんと天野さんということになりますね。この二人は生前、非常に仲が良かったんですね。で、ある日、小竹さんが病死してしまいます。すると天野さんが
「生きている時に親友だった、私たちが同じ墓に入らないなんてことがあるか!」
と自殺してしまったんですね。
それで同じ墓に葬ったんです。
すると、昼がまるで夜のような状態になったと。
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これ、本当に同性愛の記事?

このお話が本当に同性愛なのか?というのは何とも言えないです。ニュアンスとしてそう捉えることも十分可能だけど、果たして確実かというと何とも心もとないってのが本当のところでしょう。ただ一般的にはこれが日本の男色(同性愛)の記述で最古のものとされています。
●生前、親友だったから同じ墓に…というのも、古代ですからあったのかもしれません。

二人の神官を一つの場所に葬ったことで、アズナイという昼がやって来ない罰が生まれ、別々に葬ることで、その罰が解消されました。じゃあ、この罰の根拠となる「罪」ってどの部分のことを言うのでしょうか? 同性愛が罪なんでしょうか? それとも一緒に葬ったこと自体が罪なんでしょうか? ハッキリとはしませんが、素直に読めば「合葬」がダメだったと考えるべきでしょうね。
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日本には同性愛を否定するロジックがない

仮にこの物語が同性愛を指していて、なおかつ、同性愛を罪としないってことがあるのかと言うと「あり」ますね。というのも、日本では古来から「同性愛はダメ」というロジックが全然ないんです。ユダヤ・キリスト教ではハッキリとダメとありますし、儒教では理屈を考慮すればダメ。でも、日本では同性愛をダメとする理屈がありません。ただし、「いいよ」ともしていません。

日本は和の民族ですから、「異物を排除」する性質があります。だから同性愛者を排除したかもしれませんが、平安時代や室町・戦国の男色の記述を見る限り、その「同性愛者という異物を排除する」ことがどこまであったのか疑問ですね。そういうことは無かったとは思わないが、欧米に比べればないに等しいと考えていいでしょう。
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