手が氷の刃と化す

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手が氷の刃と化す

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原文

故、其の御手を取らしむれば、即ち立氷に取り成し、亦剣刃に取り成しつ。故爾に懼りて退き居りき。爾に其の建御名方神の手を取らむと乞ひ帰して取りたまへば、若葦を取るが如、つかみ批ぎて投げ離ちたまへば、即ち逃げ去にき。

現代語訳

タケミナカタタケミカヅチの手を取りました。
するとすぐにタケミカヅチの手がツララになり、
剣刃となってしまいました。

タケミナカタは恐れをなして引き下がりました。

今度はタケミカヅチが建御名方神(タケミナカタ神)の手を取ろうと提案し、
手を取ると、若い葦を掴むように、握りつぶして放り投げました。タケミナカタはすぐに逃げ去りました。
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解説

掴んだ腕が凍りになり、刀になる。
まるで漫画。まるでアニメ。設定が中二病的です。それでビックリしたタケミナカタが引くと、今度はタケミカヅチの攻撃の番。それで簡単にタケミナカタは放り投げられてしまい、そのまま敗走します。強すぎるぞタケミカヅチ。

これ以前、タケミカヅチは稲佐の浜に降り立った時に剣の切っ先に座るという荒技を見せています。その経緯とこのページの様子をみると、タケミカヅチは武神というよりは手品師か雑技団かピエロといった遊芸の神のようにも見えるんですよね。

相撲のはじまり?
この記述が「相撲」の始まりではないか?とされます。相撲ってそもそも何なんでしょう。
相撲は神道を由来とするもので、神社で相撲を奉納するという行事が全国各地に残っています。相撲を取り、どちらが勝つかによって、豊穣・収穫を占います。独り相撲という人間と神が相撲を取る場合は、一勝一敗か神が勝つようにします。神に勝ちを譲ることで豊穣を約束するという算段です。

でもこれが相撲の始まり?なんてちょっと…と思いますね。
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