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サホビメの告白
漢字・読み | サホビメノコクハク |
原文
ここにその后、争はえじと以為ほして、即ち天皇に白して言はく、「妾が兄 沙本毘古王、妾に問ひて曰はく、『夫と兄と孰(いず)れか愛しき』といひき。この面(マノアタリ)問ふに勝へざりし故に、妾、『兄ぞ愛しきか』と答曰へき。ここに妾の誂(アトラ)へて曰はく、『吾汝と共に天の下治らさむかれ、天皇を殺しまつれ』と云ひて、八塩折の紐小刀を作りて妾に授けつ。ここを以ちて、御頸(ミクビ)を刺さむと欲ひて三度挙りしかども、哀しき情忽(タチマ)ちに起りて、頸を得刺さずて、泣く涙落ちて御面を沾しつ。必ずこの表ならむ」とまをしき。
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現代文訳
サホビメは言い逃れできないと思い、すぐに垂仁天皇に打ち明けました。
「わたしの兄 サホビコ王が私に言ったのです。
『夫(=垂仁天皇)と兄のどちらを愛しているか?』
面と向かって言うので、わたしは『兄の方が愛しいかもしれません』と答えてしまいました。
すると兄は
『二人で天下を治めよう。天皇を殺しなさい』と言い、小刀を作ってわたしに渡したのです。それで、あなたの首を刺そうと三度、小刀を振り上げたのですが、悲しくて、刺せず、涙がこぼれて、(垂仁天皇の)顔を濡らしてしまったのです。夢はその兆候なのでしょう」
とサホビメは言いました。
「わたしの兄 サホビコ王が私に言ったのです。
『夫(=垂仁天皇)と兄のどちらを愛しているか?』
面と向かって言うので、わたしは『兄の方が愛しいかもしれません』と答えてしまいました。
すると兄は
『二人で天下を治めよう。天皇を殺しなさい』と言い、小刀を作ってわたしに渡したのです。それで、あなたの首を刺そうと三度、小刀を振り上げたのですが、悲しくて、刺せず、涙がこぼれて、(垂仁天皇の)顔を濡らしてしまったのです。夢はその兆候なのでしょう」
とサホビメは言いました。
日本書紀の対応箇所
垂仁天皇(八)皇后狹穗姫の告白
垂仁天皇(八)皇后狹穗姫の告白
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解説
前のページの状況を台詞でもう一度言っているだけ。なんでしょうか、今までの短い文の中にいろんなニュアンスが入っていたのと違って、ライトノベルようのような、安い感じが。
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- Page3 垂仁天皇の治世
- Page4 垂仁天皇の系譜
- Page5 日本最古の兄妹愛物語
- Page6 垂仁天皇の夢
- Page7 サホビメの告白
- Page8 垂仁天皇の沙本毘古王討伐
- Page9 垂仁天皇のサホビメ奪還作戦
- Page10 サホビメの覚悟
- Page11 サホビメを取り逃がす 垂仁天皇は玉作りを恨む
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