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サホビメを取り逃がす 垂仁天皇は玉作りを恨む
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ここにその力士等、その御子を取る即ちその御祖を握りき。ここにその御髪を握れば、御髪自ら落ち、その御手を握れば、玉の緒また絶え、その御衣を握れば、御衣便ち破れぬ。ここを以ちてその御子を取り獲て、その御祖を得ざりき。かれ、その軍士等還り来て奏言さく、「御髪自ら落ち、御衣易く破れ、また御手に纒かせる玉の緒便ち絶えぬ。かれ、御祖を獲ずて、御子を取り得つ」とまをしき。ここに天皇悔い恨みたまひて、玉作りし人等を悪(ニク)み、皆その地を奪ひたまひき。かれ、諺(コトワザ)に「地(トコロ)得ぬ玉作(タマツクリ)」と曰ふ。
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現代文訳
集められた兵士達は、赤ん坊を受け取ると、その母親であるサホビメを捕らえようとしました。
髪を掴めば、髪は取れ落ちました。手を握れば、手に巻いた玉緒は切れてしまいました。衣服を掴みましたが、簡単に破れてしまいました。それで赤ん坊は得られたのですが、サホビメを捕まえることは出来ませんでした。
兵士達は軍に変えると天皇に報告しました。
「髪は取れ、服は簡単に破れ、手に巻きつけた玉緒は切れました。赤ん坊は受け取りましたが、母サホビメは連れてくることが出来ませんでした」
垂仁天皇は悔やみ、恨んで――逆恨みというべきものですが――玉作りの民から土地を取り上げてしまいました。
こうして「地得ぬ玉作り」という諺を言うようになりました。
髪を掴めば、髪は取れ落ちました。手を握れば、手に巻いた玉緒は切れてしまいました。衣服を掴みましたが、簡単に破れてしまいました。それで赤ん坊は得られたのですが、サホビメを捕まえることは出来ませんでした。
兵士達は軍に変えると天皇に報告しました。
「髪は取れ、服は簡単に破れ、手に巻きつけた玉緒は切れました。赤ん坊は受け取りましたが、母サホビメは連れてくることが出来ませんでした」
垂仁天皇は悔やみ、恨んで――逆恨みというべきものですが――玉作りの民から土地を取り上げてしまいました。
こうして「地得ぬ玉作り」という諺を言うようになりました。
日本書紀の対応箇所
なし
なし
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解説
玉緒ってのは玉をつなぐ紐ということですが、いまいち「玉」のポジションについて(わたしが)分かっていないので、イメージしづらい。もうちょっと調べないといけないですね。
玉というとスサノオとアマテラスの誓約でアマテラスが持っていたもので、天孫へと繋がる神が生まれたモノです。
玉は勾玉なのかもしれません。また玉は魂をあらわしているのかもしれません。魔力のあるものであり、神聖なものなのでしょう。でも、そのつながりはあまりに曖昧です。なにせ「玉」は神話のときから当たり前のように登場していて、「え? 玉、知ってるよね、知らない訳無いよね?」ってな具合で説明すらないのです。
勾玉といえば糸魚川。越国の糸魚川のヒスイは勾玉に加工され、日本のみならず、朝鮮半島でも見つかっています。美しいヒスイは鮮やかな青緑。水を象徴していたのではないか?と個人的には思いますが、ハッキリとは分かりません。魂をつなぎとめるとも、太陽と月とも、もっと広く宇宙とも。
玉というとスサノオとアマテラスの誓約でアマテラスが持っていたもので、天孫へと繋がる神が生まれたモノです。
玉は勾玉なのかもしれません。また玉は魂をあらわしているのかもしれません。魔力のあるものであり、神聖なものなのでしょう。でも、そのつながりはあまりに曖昧です。なにせ「玉」は神話のときから当たり前のように登場していて、「え? 玉、知ってるよね、知らない訳無いよね?」ってな具合で説明すらないのです。
勾玉といえば糸魚川。越国の糸魚川のヒスイは勾玉に加工され、日本のみならず、朝鮮半島でも見つかっています。美しいヒスイは鮮やかな青緑。水を象徴していたのではないか?と個人的には思いますが、ハッキリとは分かりません。魂をつなぎとめるとも、太陽と月とも、もっと広く宇宙とも。
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垂仁天皇(古事記)の表紙へ
- Page7 サホビメの告白
- Page8 垂仁天皇の沙本毘古王討伐
- Page9 垂仁天皇のサホビメ奪還作戦
- Page10 サホビメの覚悟
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- Page12 本牟智和気御子の養育方法
- Page13 サホビメの死
- Page14 ホムチワケ御子は言葉を発さなかった
- Page15 ヤマノベノオオタカの白鳥追跡
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