酒の司 常世に坐す 石立たす 少名御神

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酒の司 常世に坐す 石立たす 少名御神

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現代文訳

ホンダワケ皇子は大和に帰ってきました。

すると母親のオキナガタラシヒメ(神功皇后)は酒を造って待っていました。そして母親は歌いました。

この酒は、わたしの酒ではありません。
酒の神の、常世の国に居る、石に宿る少名御神(スクナミカミ)の祝福の―― 踊り狂い 踊り回りして作った酒です。
さぁ、飲んでください。

そう歌って酒を献上したのです。
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解説

応神天皇いくつよ?
物語上はつい先日生まれたばかり、っぽいけど、かなり成長しているんでしょうね。

スクナヒコナと酒
オオクニヌシと日本の土台を作ったスクナヒコナは常世の国へと帰っていきました。ここで「石立たす」とあるのは、古代の日本人が「神は石にやどる」という考えを持っていたからです。

でも木に宿るのか、石に宿るのか、山か川か滝か、一貫性が無いような……――全員が石に宿っているわけでもないし……おそらくは「神の世界観」がごっちゃになっているんです。ある程度の方向性はあります。例えば「自然物に宿る」とかね。でも、自然物っても、「石」と「山」ではスケールが違う。でも、どっちが偉いという考えは薄い。そこが日本人の曖昧さであり、よい所です。
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個人的コラム

酒と巫女と
酒は米から出来ます。米はでんぷん。このでんぷんを糖に分解してから、糖を発酵させたものが「酒」です。でんぷんを糖にするものが「麹(コウジ)」。糖を酒にするのが「酵母」です。

酵母はどこにでも居ます。ところが麹はどこにでもは居ない。世界中に酒があるのですが、どうやって穀物を「糖」にするのか? が問題でした。

播磨国風土記の716年には米にカビが生えていてこれから酒を造ったという話がある。

もう一つ、大隅国風土記の713年には米を「噛んで発酵させて酒にした」という記述がある。つまり唾液(アミラーゼ)ででんぷんを「糖」に分解して、発酵させて酒にしたってことです。これが「口嚼ノ酒(クチカミノサケ)」です。ちなみに麹で醸造することを「醸す」といいます。この「醸す」は「噛む」が語源だ、という説があるのもこの話しから。

どうもカビから酒というのは古来からの話ではなく偶然そうなったっぽい。しかし口嚼ノ酒はそれ以前からあったっぽい。というのも「酒」は昔からあった。古事記で散々書かれているのだから間違いない。

巫女は醸す
酒は神が創るもの。神とは巫女や神官。どうやら彼らが「醸していた」よう。巫女が米を噛み、分解させて酒を造った。巫女が処女でケガレがあってはいけないというのは、そういうところが来ていても全然驚かない。じゃないと酒なんか呑めない。

原文

ここに還り上りましし時、その御祖 息長帯日売命(オキナガタラシヒメノミコト)、待酒(マチザケ)を醸みて献らしき。ここにその御祖 御歌に曰りたまはく、

この御酒は 我が御酒ならず 酒(クシ)の司(カミ) 常世に坐す 石立たす 少名御神(スクナミカミ)の 神寿き 寿き狂ほし 豊寿き 寿き廻ほし 献り来し御酒ぞ あさず食せ ささ

かく歌ひて大御酒を献りき。
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