神うれづくの言の本なり

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神うれづくの言の本なり

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現代文訳

呪いの言葉を唱えて、それらの呪具をカマドの植えに置きました。

それ以降、兄は8年もの間、身体は干からび、しなびて病気に苦しみました。

兄は困り果て、泣いて母親に許しを請うと、すぐにのろいは解けました。それでその身体は元通りになりました。

これが「神うれづく」という言葉の始まりです。
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解説

神うれづく
神に誓った賭け、つまり誓約は絶対だよ、という意味じゃないかな、と思われます。
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個人的コラム

母親が家父長
古事記の中には女神や神の両親のうち「母親」しか書かれていない氏族もいます。おそらく「女系」の氏族が珍しくなかったのだと思われます。

「女は男より下」という儒教の考え、中国の考えが入ってきたのが応神天皇のとき(神功皇后の朝鮮征伐)のときと思われますが、それ以前から入ってきた可能性は否定しきれません。

推古天皇以降の女性天皇は「女帝」ではなく、夫である亡くなった天皇と次の天皇の中継ぎという性質なので、彼女らのことをもって「女系」というのは無理はありますが、それでも「女性首長」に対する抵抗は低かったと考えていいでしょうね。

原文

かく詛(トコ)はしめて、烟(カマド)の上に置きき。ここをもちて、その兄八年の間、干(ヒ)萎(シナ)え病み枯れぬ。かれ、その兄患へ泣きて、その御祖に請へば、即ちその詛戸(トコヒド)を返さしめき。ここにその身、本の如く安らけく平らぎき。こは神うれづくの言の本なり。
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