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武烈天皇(五)平群の父子の不敬に怒り、兵を起こす
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太子、甫知鮪曾得影媛。悉覺父子無敬之狀、赫然大怒。此夜、速向大伴金村連宅、會兵計策。大伴連、將數千兵、傲之於路、戮鮪臣於乃樂山。一本云「鮪宿影媛舍、卽夜被戮。」是時、影媛、逐行戮處、見是戮已、驚惶失所、悲淚盈目。
現代語訳
太子はやっと初めて鮪(シビ)が以前に影媛を得たと分かりました。それで、ことごとく父子(カゾコ=ここでは平群臣真鳥と鮪臣のこと)が太子に対して不敬であると悟り、顔を赤くして大いに怒りました。この夜、速やかに大伴金村連(オオトモノカネムラノムラジ)の宅に行って、兵を集めて策謀しました。大伴連は数千の兵で、道路を遮り、鮪臣を乃楽山(ナラヤマ=奈良県奈良市の北の丘陵)で殺しました。
このとき、影媛は殺されるところに追って行って、その殺し終えるところを見ました。驚き、恐れ、心惑い、悲しみの涙を目に浮かべました。
ある本によると、鮪は影媛の家に泊まり、その夜、殺されたといいます。
このとき、影媛は殺されるところに追って行って、その殺し終えるところを見ました。驚き、恐れ、心惑い、悲しみの涙を目に浮かべました。
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解説
これまで平群臣真鳥の不敬にも目をつぶって顔には出さなかった太子が、ここでキレて平群の親子を誅殺することになります。
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武烈天皇(日本書紀)の表紙へ
- Page1 武烈天皇(一)法令に明るく、残虐な人物
- Page2 武烈天皇(二)平群真鳥の専横と物部麁鹿火の娘の影媛
- Page3 武烈天皇(三)歌場での逢瀬と鮪臣の邪魔
- Page4 武烈天皇(四)鮪臣と太子の影媛争奪の歌合戦
- Page5 武烈天皇(五)平群の父子の不敬に怒り、兵を起こす
- Page6 武烈天皇(六)葬送の歌
- Page7 武烈天皇(七)影媛「苦しいことです。愛する夫を失った」
- Page8 武烈天皇(八)大伴金村による真鳥の誅殺と塩の呪い
- Page9 武烈天皇(九)大伴金村連は太子に尊号を奉り、大連となる
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