麁鹿火の妻は諌める

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継体天皇(十三)麁鹿火の妻は諌める

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原文

物部大連、方欲發向難波館、宣勅於百濟客、其妻固要曰「夫住吉大神、初以海表金銀之国高麗・百濟・新羅・任那等、授記胎中譽田天皇。故、大后息長足姫尊與大臣武內宿禰、毎国初置官家爲海表之蕃屏、其來尚矣。抑有由焉、縱削賜他、違本區域。綿世之刺、詎離於口。」大連、報曰「教示合理、恐背天勅。」其妻切諫云「稱疾、莫宣。」大連依諫。

現代語訳

物部大連は難波の館(ムロツミ=客舎)に出発して向かって、百済の客(ツカイ=使者)に勅宣(ミコトノリノタマウ)しようとしました。すると物部大連の妻が固く諌めて言いました。
「住吉大神(スミノエノオオカミ)が初めて海表(ワタノホカ=海外)の金銀(シロカネコガネ)の国・高麗・百済・新羅・任那らを、胎中誉田天皇(ハラノウチニマシマスホムダノスメラミコト)に授けました。それで大后(オオキサキ)の息長足姫尊(オキナガタラシヒメノミコト)は大臣の武内宿禰(タケノウチノスクネ)と国ごとに初めて官家(ミヤケ=天皇の直轄領)を置いて、海表(ワタノホカ=海外)の蕃屏(マガキ=神社内に立てる塀で外から入る穢れを遮断する)として、それらが生まれて久しい。やはり、所以がある。もし、4県を割いて他国に与えれば、元の区域(サカイ)と違ってしまいます。綿世(ナガキヨ=綿の糸のように長い)の誹謗がどうして口から離れることがありましょうか!(いつまでも誹謗を受けることになりますよ)」
大連は答えて言いました。
「教え示すことは理にかなっているのだが、天勅(スメラミコトノミコトノリ)に背くことは恐ろしいことだ」
その妻は心を痛め、諌めて言いました。
「疾(ヤマイ)と称して、勅を伝えなければいいのです」
大連はその助言に従いました。
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解説

ここで使者を辞退したというのは、どういう意味を持つのやら。実際に麁鹿火は辞退したのか、それとも伝承か。単に「4県の割譲は大伴金村のミス」としたいだけか。

前のページで、日本は共和国で「貿易路を確保」することが一番大事だったと書きました。百済は儒教の影響を受けて日本式の「共和国」とは違う路線に行こうとしていた。金村は昔ながらの日本人の「揉め事を避ける」という感覚から4県割譲を決めましたが、儒教の性質を知っていた人物は「ダメだろ」と思っていたハズです。儒教はそんな思想じゃない。儒教の思想があるから、中国は王朝が変わるたびに文化がリセットされてしまう。そう考えた人もいたでしょう。それがこの葛藤に表されているのではないかと思います。
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