大麻呂は伊甚国造に真珠を求める

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安閑天皇(三)大麻呂は伊甚国造に真珠を求める

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原文

夏四月癸丑朔、內膳卿膳臣大麻呂奉勅、遣使求珠伊甚。伊甚国造等、詣京遲晩、踰時不進。膳臣大麻呂大怒、收縛国造等、推問所由。国造稚子直等恐懼、逃匿後宮內寢。春日皇后、不知直入、驚駭而顚、慚愧無已。稚子直等、兼坐闌入罪當科重、謹專爲皇后獻伊甚屯倉、請贖闌入之罪。因定伊甚屯倉、今分爲郡、屬上總国。

現代語訳

(即位1年)夏4月1日。内膳卿膳臣大麻呂(カシワデノツカサノキミカシワデノオミオオマロ)は勅(ミコトノリ)を承って、使者を派遣して珠(タマ=真珠)を伊甚(イジミ=千葉県夷隅郡・勝浦市)で探し求めました。伊甚国造(イジミノクニノミヤツコ)たちは京(ミヤコ=ここでは大和のこと)に珠を献上しに詣でるのは遅く、期限を超えても献上しませんでした。膳臣大麻呂はとても怒って、国造たちを捕らえて縛って、ことの次第を問い責めました。国造稚子直(クニノイヤツコワクゴノアタイ)たちは、恐れかしこまって、後宮(キサキノミヤ)の内寝(オオトノ=宮中の寝殿)に逃げ隠れました。春日皇后(カスガノキサキ)は入ったのを知らないで驚き、あわてて倒れてしまいました。恥ずかしい思いは止まりませんでした。稚子直たちは、闌入罪(ミダレガワシクマイレルツミ)を加えて、科(トガ=科料=罪への罰)は重くなりました。慎み、皇后のために伊甚屯倉(イジミノミヤケ)を献上して闌入之罪(ミダレガワシクマイレルツミ)をあがなおうと請願しました。それで伊甚屯倉を定めました。今は、分かれて郡として上総国(カミツフサノクニ)に属しています。
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解説

真珠が欲しいと安閑天皇が欲しくて、膳臣大麻呂に命じた。大麻呂は伊甚の国造たちに命じて真珠を探させた。ところが伊甚はなかなか真珠を持ってこない。そりゃ、なかなか手に入らないでしょうよ。それで、大麻呂は怒って伊甚国造たちを捉えたら、怖くて逃げた。逃げた先が後宮で、バッタリと出会った皇后が驚いてひっくり返った。その驚かせた罪に対して伊甚の屯倉(=領地)を献上した。という物語。史実かどうかといえば、史実ではないというほど荒唐無稽でもないし、いかにもありそうな話ですよね。

ところで。
ここでわかるのは千葉の勝浦では「真珠」が取れたってことでしょう。海があれば貝がいて、真珠が取れるのは当たり前だけど、相当な低い確率ですから、献上するだけの立派なものが無かったのでしょうね。
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