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孝徳天皇(四十七)七色一十三階之冠
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是歲、制七色一十三階之冠。一曰織冠、有大小二階、以織爲之、以繡裁冠之緣、服色並用深紫。二曰繡冠、有大小二階、以繡爲之、其冠之緣・服色並同織冠。三曰紫冠、有大小二階、以紫爲之、以織裁冠之緣、服色用淺紫。四曰錦冠、有大小二階、其大錦冠、以大伯仙錦爲之、以織裁冠之緣。其小錦冠、以小伯仙錦爲之、以大伯仙錦、裁冠之緣。服色並用眞緋。五曰靑冠、以靑絹爲之、有大小二階、其大靑冠、以大伯仙錦、裁冠之緣。其小靑冠、以小伯仙錦、裁冠之緣。服色並用紺。六曰黑冠、有大小二階、其大黑冠、以車形錦、裁冠之緣。其小黑冠、以薐形錦、裁冠之緣。服色並用緑。七曰建武初位、又名立身以黑絹爲之、以紺裁冠之緣。別有鐙冠、以黑絹爲之、其冠之背張漆羅、以緣與鈿異高下、形似於蟬。小錦冠以上之鈿、雜金銀爲之。大小靑冠之鈿、以銀爲之。大小黑冠之鈿、以銅爲之。建武之冠、無鈿也。此冠者、大會・饗客・四月七月齋時所着焉。
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現代語訳
(即位3年)この年、7色の13階の冠を制定しました。
その1に織冠(オリモノノカウブリ)。大小の2階あります。織(オリモノ)で為しました。繡(ヌイモノ)を冠の縁(モトホリ=冠の縁取りの帯)で裁断いました。服の色は同じ、深紫を用いました。
その2に繡冠(ヌイモノノカウブリ)。大小の2階あります。繡(ヌイモノ)で為しました。その冠の縁・服の色は、繡冠と一緒です。
その3に、紫冠。大小2階あります。紫で為しました。織で冠の縁に裁断します。服の色は浅紫(アサムラサキ)を用います。
その4に、錦冠(ニシキノカウブリ)。大小の2階あります。その大錦冠(ダイキンノカウブリ)は大伯仙(ダイハクセン)の錦で為しています。織で冠の縁に裁断しました。その小錦冠(ショウキンノカウブリ)は小伯仙(ショウハクセン)の錦で為しました。大伯仙(ダイハクセン)の錦で冠の縁に裁断しました。服の色は真緋(アケ)を用います。
その5。青冠。青絹で為します。大小の2階あります。その大青冠には大伯仙の錦で冠の縁に裁断します。その小青冠には小伯仙の錦で、冠の縁に裁断します。服の色は、どちらも紺(フカキハナダ)を用います。
その6。黒冠。大小の2階あります。その大黒冠には車形(クルマカタ)の錦を、冠の縁に裁断する。その小黒冠には菱形(ヒシカタ)の錦で冠の縁に裁断します。服の色はどちらも緑を用います。
その7。建武(ケンム)。
黒絹で為します。紺で冠の縁に裁断します。別に橙冠(ツボカウブリ)があります。黒絹で為します。その冠の背には漆羅(ウルシヌリノウルハタ)を張って、縁と鈿(ウズ=かんざしのこと)でその高下(タカサミジカサ)を違うようにします。形は蝉に似ています。小錦冠より以上の鈿(ウズ)は金銀を交えて為します。大小青冠の鈿は銀で為します。大小黒冠の鈿は銅(アカガネ)で為します。建武の冠は鈿がありません。この冠たちは、大会(オオキワザ=即位や元旦の儀式?)、饗客(マラウトアヘ=客人をもてなす宴会する)し、4月・7月の斎(オガミ=宗教儀式)の時に、被るものです。
その1に織冠(オリモノノカウブリ)。大小の2階あります。織(オリモノ)で為しました。繡(ヌイモノ)を冠の縁(モトホリ=冠の縁取りの帯)で裁断いました。服の色は同じ、深紫を用いました。
その2に繡冠(ヌイモノノカウブリ)。大小の2階あります。繡(ヌイモノ)で為しました。その冠の縁・服の色は、繡冠と一緒です。
その3に、紫冠。大小2階あります。紫で為しました。織で冠の縁に裁断します。服の色は浅紫(アサムラサキ)を用います。
その4に、錦冠(ニシキノカウブリ)。大小の2階あります。その大錦冠(ダイキンノカウブリ)は大伯仙(ダイハクセン)の錦で為しています。織で冠の縁に裁断しました。その小錦冠(ショウキンノカウブリ)は小伯仙(ショウハクセン)の錦で為しました。大伯仙(ダイハクセン)の錦で冠の縁に裁断しました。服の色は真緋(アケ)を用います。
その5。青冠。青絹で為します。大小の2階あります。その大青冠には大伯仙の錦で冠の縁に裁断します。その小青冠には小伯仙の錦で、冠の縁に裁断します。服の色は、どちらも紺(フカキハナダ)を用います。
その6。黒冠。大小の2階あります。その大黒冠には車形(クルマカタ)の錦を、冠の縁に裁断する。その小黒冠には菱形(ヒシカタ)の錦で冠の縁に裁断します。服の色はどちらも緑を用います。
その7。建武(ケンム)。
初めの位です。または立身(リフシン)という名です。
黒絹で為します。紺で冠の縁に裁断します。別に橙冠(ツボカウブリ)があります。黒絹で為します。その冠の背には漆羅(ウルシヌリノウルハタ)を張って、縁と鈿(ウズ=かんざしのこと)でその高下(タカサミジカサ)を違うようにします。形は蝉に似ています。小錦冠より以上の鈿(ウズ)は金銀を交えて為します。大小青冠の鈿は銀で為します。大小黒冠の鈿は銅(アカガネ)で為します。建武の冠は鈿がありません。この冠たちは、大会(オオキワザ=即位や元旦の儀式?)、饗客(マラウトアヘ=客人をもてなす宴会する)し、4月・7月の斎(オガミ=宗教儀式)の時に、被るものです。
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解説
冠によって、位を一目で分かるようにしたわけです。見た目で高貴か下賤かが分かるようにしておくことは、社会秩序を保つ上で大事です。
例えば、外部から人が来た時も、一目で誰が一番偉いか分かります。そうすることでスムーズに交渉に取り組むことができます。そこでわかりにくい曖昧な状態を作っておくのは、トラブルの元です。
例えば、外部から人が来た時も、一目で誰が一番偉いか分かります。そうすることでスムーズに交渉に取り組むことができます。そこでわかりにくい曖昧な状態を作っておくのは、トラブルの元です。
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