天智天皇(四十四)天皇の病気の悪化・百仏の開眼

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天智天皇(四十四)天皇の病気の悪化・百仏の開眼

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原文

八月乙丑朔丁卯、高麗上部大相可婁等罷歸。壬午、饗賜蝦夷。九月、天皇寢疾不豫。(或本云八月天皇疾病。)冬十月甲子朔庚午、新羅遣沙飡金萬物等、進調。辛未、於內裏、開百佛眼。是月、天皇遣使、奉袈裟・金鉢・象牙・沈水香・栴檀香及諸珍財於法興寺佛。

現代語訳

(即位10年)8月3日。高麗の上部(ショウホウ)の大相(ダイソウ)の可婁(カル)たちが帰りました。
8月18日。蝦夷に宴会をして、もてなしました。
9月天皇は病気で寝込んでしまいました。
ある本によると、8月に天皇が病気になったと言います。

冬10月7日。新羅は沙飡(ササン)の金万物(キンマンモツ)たちを派遣して、調(ミツキ=税)を献上しました。
10月8日。内裏で百仏(モモノホトケ)の眼を開けました(=仏像を完成させる儀式のこと)。袈裟・金鉢・象牙・沈水香(ジムコウ)・栴檀香(センダンコウ)などの諸々の珍財(メズラシキモノ)を法興寺の仏に奉りました。
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解説

沈水香
ジンコウという香りがする木の破片。
栴檀香(センダンコウ)
センダンという香りがする木の破片。香りを楽しむもの。
仏教なのに
仏教って「執着心を捨てる」のがメインの宗教なのに、珍しいものを奉じるってのは、思い切り「ものに執着している」と思うんですけどね。
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