天武天皇(六十七)正月の節の拝礼・諸王は卑母に拝礼してはいけない

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天武天皇(六十七)正月の節の拝礼・諸王は卑母に拝礼してはいけない

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原文

八年春正月壬午朔丙戌、新羅送使加良井山・金紅世等、向京。戊子、詔曰「凡當正月之節、諸王諸臣及百寮者、除兄姉以上親及己氏長以外、莫拜焉。其諸王者、雖母非王姓者、莫拜。凡諸臣亦莫拜卑母。雖非正月節、復准此。若有犯者、隨事罪之。」己亥、射于西門。

現代語訳

即位8年の春1月5日。新羅の送迎の使者の加良井山(カリョウジョウセン)と金紅世(キングセ)たちが京に詣でました。
1月7日。詔(ミコトノリ)して言いました。
「正月の節(トキ)に当たり、諸王(イコタチ)と諸臣(オミタチ)と百寮(ツカサツカサ=役人)は兄姉より上の親と自分の氏長(ウジノコノカミ=氏族の長)を除いて、これ以外は拝礼してはいけない。その諸王は母といえども、王の姓ではないならば拝礼してはいけない。すべての諸王は卑母(ヒキキイロハ=出自の低い母)を拝んではいけない。正月の節ではないとしても、これになぞらえなさい。もし罪を犯す者があれば、事実に従って罪に問う」
1月18日に西門で弓を射る儀式をしました。
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解説

天皇の身内や臣下と官僚は、目上の者以外には、拝礼しちゃいけませんよ。何せお正月ですからね。天皇の身内の皇子も、血の繋がった母でも「同じ姓じゃない」なら拝礼しちゃいけませんよ、ということです。

儒教の国では夫婦は別姓です。儒教の国では姓というのは「血の名前」です。だから結婚しても、夫と妻の「血」は混じりませんから、夫婦は別姓なわけです。では日本ではどうかというと、夫婦が同じ名前になります。日本では姓というのはグループの名前です。よって血は関係ありません。しかし、出自が低い人物を娶った場合は、どうやら姓を一緒にしなかったようです。おそらく、氏族の他の人が「あんな奴を一緒の姓にするなよ」と反対したんでしょうね。
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