ガマの花粉でウサギの傷を癒す

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ガマの花粉でウサギの傷を癒す

漢字・読みガマノカフンデウサギノキズヲイヤス
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原文

是に大穴牟遅神、其の菟に教へ告りたまひけらく、「今急かに此の水門に往き、水を以ちて汝が身を洗ひて、即ち其の水門の蒲黄を取りて、敷き散らして、其の上に輾転べば、汝が身本の膚の如、必ず差えむ。」とのりたまひき。故、教の如為しに、其の身本の如くなりき。此れ稲羽の素菟なり。

現代語訳

大穴牟遅神(オオナムチ神)はそのウサギに教えて言いました。
「今すぐに水門(ミナト=河口)に行き、水でお前の身体を洗って、すぐにその水門(=河口)に生えている蒲黄(=ガマの花粉)を取って、敷いて寝転がれば、お前の身体は元の肌に必ず治るだろう」
と言いました。

教えどおりにすると、ウサギの身体は元通りになった。
これが因幡の素菟です。
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解説

医療の神として
オオクニヌシはウサギの傷を癒すことで医療神の側面を見せます。ちなみに蒲の花粉は古代では傷薬の効果があるとされていました。古代に於いて、病気は恐怖でした。この治療方法を持っていることは、すなわち、権力を持っているということでもあります。
古代ではそれが呪術であっても治療の技術を持っていれば首長にもなれました。

オオクニヌシ(=オオナムチ)がこれから成長する上で医療の技術は大事な要素のようです。
因幡の白兎は白くない
どこにも白とは書いてないです。「素菟」とあるだけで「白い」とは限らない。ただ「素人」に対して「玄人」というように、「素」が白いニュアンスで使われていたから「白兎」と言われるのかも。しかし、古代の出雲・因幡あたりには冬でもウサギは白くならないので、この素菟は「皮を剥がされた」という意味ではないかと思われます。
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