大己貴神(オオナムチ)

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オオナムチ

漢字・読み大己貴神
別名大国主命・大穴牟遅神・於保奈牟知・大穴道・大汝・オオアナムチ
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概要

大己貴神(オオナムチ)は出雲神話の最大のヒーロー。大国主の別名として扱われます。古事記を読む限りは「大国主の子供の頃の名前」です。ですが日本書紀ではほぼ「オオナムチ」で一貫しています。

オオナムチの「オオ」は「大」。「ナ」は「土地」。ムチは「高貴な人」という意味とも。

オオナムチは明らかに「スクナヒコナ」とセットになっています。「大」「ナ」と「少」「ナ」という対です。神世七代あたりを読むと神様が皆、対でセットになっているので、このあたりは日本人にとって神の「スタンダード」かと思われます。
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物語・由来

并せて五つの名有り
オオクニヌシには別名がありました。
ある名はオオナムチ神。
ある名はアシハラシコオ神。
ある名はヤチホコ神。
ある名はウツクシクニタマ神。
合わせて5つの名前がありました。

など古事記の出雲部分の大半に「大国主(オオクニヌシ)」の幼少期の名前として登場。義父の叱咤激励?で「オオクニヌシ」に改名。

第八段一書(二)安芸国の可愛川での大蛇との戦い
のちにこの姫(クシイナダヒメ)はスサノオの妃となって生んだ六世孫が大己貴命(オオナムチ)といいます。

第八段一書(六)-1百姓は現在までその恩恵を受けています
そのオオナムチと少彦名命(スクナヒコナミコト)は力を合わせ、心を一つにして、天下を治めました。

第八段一書(六)-2粟の茎に昇ったら、はじかれて常世の国へ
かつて、大己貴命(オオナムチ)は少彦名命(スクナヒコナ)に言いました。
「わたしたちが作った国は、良くなったと言えるだろうか??」
スクナヒコナは答えました。
「あるところは良く成りました。
あるところは良く成ってないところがあります」

スクナヒコナが居なくなってしまいましたが、まだ国は未完成のところがあります。オオナムチは一人でよく国を回り、出雲の国に辿り着き、云いました。

第八段一書(六)-3三諸山に住もう
「もしも、わたしが居なければ、お前はこの国を平定出来なかっただろう。わたしが居てこそ、この大きな結果を出すことが出来たのだ」
このときオオナムチは言いました。
「では、お前は誰だ??」
光は答えました。
「わたしはお前の幸魂(サキミタマ)奇魂(クシミタマ)だ」

第八段一書(六)-4出雲の五十狹々小汀
一人の小さな男が、ガガイモ(植物名)の実の皮で出来た船に乗り、ミソサザイ(鳥の名前)の羽で出来た服を着て、波のまにまに浮かんでやって来ました。
オオナムチはすぐにその神を掌に乗せて玩具にしました。
すると小さな男は怒って、オオナムチの頬にかみつきました。

第九段本文―1 葦原中国の邪神を追い払って平定したい
そこでタカミムスビは神々の意見に従って、アメノホヒを葦原中国に送って、平定しようとしました。しかし、このアメノホヒは大己貴神(オオナムチ=オオクニヌシ)にご機嫌を取るばかりで3年たっても、報告しませんでした。

第九段本文―6出雲の三穗之碕にて
この二柱の神(フツヌシタケミカヅチ)は天から出雲の五十田狹之小汀(イサタノオハマ)に降りました。そこで十握劒(トツカノツルギ)を抜いて、地に逆さまに突き刺し、立てて、その剣先に胡坐(アグラ)をかいて座り、大己貴神(オオアナムチノカミ=オオクニヌシ)に問いました。

第九段本文―7百不足之八十隈に隠居
「私(オオナムチ)が頼りにしている子供(=コトシロヌシ)は、去りました。 わたしも、その子供と同様に去りましょう。もしも私が抵抗するならば、国内の神々も同じように抵抗するでしょう。 今、私が去れば、誰も歯向かう者は無いでしょう」

第九段一書(二)―1天津甕星(アマツミカホシ)征伐とオオアナムチの説得
「お前は、この国を天神(アマツカミ)に譲るか? どうか???」
大己貴神(オオアナムチ)は答えました。
「どうゆうことだ?? お前たち、二柱の神が、私の所に来たのではないか?? (国を譲るなど)許さない」

第九段一書(二)−2現世から退いて幽界の世界を
大己貴神(オオアナモチ)は答えました。
「天神(アマツカミ)の申し出はあまりに懇切丁寧です。 命令に従わない訳にはいかないでしょう。 私が治める現世のことは、皇孫(スメミマ)が治めるべきでしょう。 わたしは現世から退いて、幽界(カクレコト)の世界を治めましょう」

雑記

●古事記では幼少期がオオナムチで、スサノオの試練を終えると大国主やウツクシクニタマ神や八千矛(ヤチホコ)となる。
日本書紀では大国主の名前は二回しか登場しない。一つは異名。一つはスサノオの5世孫と説明するとき。
●オオナムチという表記は記紀では大穴牟遅神と大己貴神だが、万葉集では於保奈牟知・大穴道・大汝とある。
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