第八段一書(六)-3三諸山に住もう

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第八段一書(六)-3三諸山に住もう

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原文

于時、神光照海、忽然有浮來者、曰「如吾不在者、汝何能平此国乎。由吾在故、汝得建其大造之績矣。」是時、大己貴神問曰「然則汝是誰耶。」對曰「吾是汝之幸魂奇魂也。」大己貴神曰「唯然。廼知汝是吾之幸魂奇魂。今欲何處住耶。」對曰「吾欲住於日本国之三諸山。」故、卽營宮彼處、使就而居、此大三輪之神也。此神之子、卽甘茂君等・大三輪君等・又姫蹈鞴五十鈴姫命。又曰、事代主神、化爲八尋熊鰐、通三嶋溝樴姫・或云玉櫛姫而生兒、姫蹈鞴五十鈴姫命。是爲神日本磐余彦火火出見天皇之后也。

現代語訳

第八段一書(六)-3
すると、神々しい光が浮かび、海を照らして、たちまちやって来ました。その光が言いました。

「もしも、わたしが居なければ、お前はこの国を平定出来なかっただろう。わたしが居てこそ、この大きな結果を出すことが出来たのだ」

このときオオナムチは言いました。
「では、お前は誰だ??」

光は答えました。
「わたしはお前の幸魂(サキミタマ)奇魂(クシミタマ)だ」

オオナムチは言いました。
「なるほど。そうか。
お前は、わたしの幸魂奇魂だ。
これから何処に住みたいと思うか??」

すると答えました。
「わたしは日本国(ヤマトノクニ)の三諸山(ミモロヤマ)に住もうと思う」
それで宮殿を作り、祀りました。それが大三輪(オオミワ)の神です。この神の子は甘茂君(カモノキミ)、大三輪君(オオミワノキミ)、また姫蹈鞴五十鈴姫命(ヒメタタライスズヒメノミコト)です。

別伝によると、事代主神(コトシロヌシ)は八尋熊鰐(ヤヒロノクマワニ)となって、三嶋の溝樴姫(ミゾクイヒメ)、別名を玉櫛姫(タマクシヒメ)という姫のところに通って出来た子供が姫蹈鞴五十鈴姫命(ヒメタタライスズヒメノミコト)です。この姫は神日本磐余彦火火出見天皇(カムヤマトイワレヒコホホデミノスメラミコト)の后となりました。
古事記の対応箇所
海の向こうから光の神が
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解説

幸魂(サキミタマ)奇魂(クシミタマ)
神の性質は和魂(にきみたま)と荒魂(あらみたま)に分けられます。和魂が人々に富をもたらしたり幸福にする性質で、荒魂が逆に災害や病気や争いをもたらす性質です。心理学の「グッドマザー・バッドマザー」でしょうね。

この和魂を更に分類したのが幸魂・奇魂です。幸魂は幸福をもたらすもの。奇魂は神秘的な力です。
お前の幸魂奇魂だ!
この部分は、どういう意味を持っているのか?というとちょっと分かりません。素直に「古代の日本人は和魂(幸魂+奇魂)と荒魂が別々の人格を持っていて、しかも本体(和魂+荒魂)とは別の人格を持っていた」と考えていたのか。

それともオオモノヌシオオナムチが似た性質を持っていて、同一視したという経緯を表しているだけなのか?
大物主神の「物」は「物の怪」の物です。漠然とした「神」という意味を持っています。オオナムチも同様に「霊威が強い」という意味です。

大物主神とは?
祟神天皇のときに「タタリ神」として登場することで有名ですが、本来はタタリ神ではなく、機嫌がいいと富をもたらし、粗末に扱うと祟るという、日本では極々一般的な神様だったのでしょう。
事代主神の政略
コトシロヌシはオオナムチ(オオクニヌシ)の子供とされる神です。おそらくは託宣の神だったのでしょう。この神の子供の姫蹈鞴五十鈴姫命(ヒメタタライスズヒメノミコト)が神日本磐余彦火火出見天皇(カムヤマトイワレヒコホホデミノスメラミコト)…つまり後の神武天皇の妃となるということは、ちょっと凄いことです。

御存じの通り、オオクニヌシの国は高天原の勢力に国譲りをするのですが、その中でオオクニヌシの子孫の姫が神武天皇の妻になっているのです。

コトシロヌシが初期大和朝廷の有力者の葛城氏が祀る「一言主(ヒトコトヌシ)」と同一視されています。それはつまり、出雲の衰退と大和の成立は必ずしも、大和が出雲を征服したということではない…という可能性はあります。
八尋熊鰐
ヤヒロは「大きい」という意味です。「熊」は「神」と同義。ワニは魚の「サメ」のことか、もしくはあの爬虫類の「ワニ」です。ワニが「サメ」か「ワニ」という謎は古代日本の話題ではよくあるものです。
どちらにしても事代主神が「海神(ワダツミ)」の要素を持っているという意味でしょう。国譲りの後に海に消えてますし。
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