海の向こうから光の神が

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海の向こうから光の神が

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原文

是の時に海を光して依り来る神ありき。其の神の言りたまひけらく、「能く我が前を治めば、吾能く共与に相作り成さむ。若し然らず国成り難けむ。」とのりたまひき。

現代語訳

大国主神(オオクニヌシ神)が凹んでいると、海を光ってやってくる神が居ました。その神が言うには

「私を丁寧に祀れば、わたしはあなたと共に、国を作ろう。
もし祀らなければ巧くいかないだろう」

解説

まだ名前も知らない神が、海の向こうから光ってやってきます。この神が「俺が手伝うけど、もてなせ。もてなさないなら失敗するから」と助けに来たように見えて、脅すような言い方です。あら怖い。
オオモノヌシ
この神様の名前はこの段では明らかになっていませんが、バラすと「オオモノヌシ」です。オオモノヌシオオクニヌシオオナムチ)と同一、もしくはオオクニヌシの幸魂・奇魂(サキミタマ・クシミタマ)とされるもの。この辺りがややこしいというべきか、改ざんが激しすぎて訳が分からなくなっている原因です。実はオオクニヌシとオオモノヌシは全く別の神であり、別の氏族を表していると考えた方が良いです。

オオモノヌシに関しては後日、祟り神(タタリガミ)として登場するところを見ると、オオモノヌシは出雲の発展に強く関わった氏族でありながら、出雲発展後にヤマトに移行し、恨みを抱いて没落したと考える方が自然。
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