ガガイモの船に乗り、蛾の服を着た名も無き神

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ガガイモの船に乗り、蛾の服を着た名も無き神

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原文

故、大国主神、出雲の御大の御前に坐す時、波の穂より天の羅摩船に乗りて、鵞の皮を内剥に剥ぎて衣服に為て、帰り来る神有りき。爾に其の名を問はせども答へず、且所従の諸神に問はせども、皆「知らず。」と白しき。

現代語訳

大国主神(オオクニヌシ神)は出雲の御大の御前(=美保岬のこと=島根県松江市)にいたときに波立つ上に、天の羅摩船(=ガガイモの船)に乗って蛾の皮を剥いで作った服を着て、帰って来る神がいました。

大国主神(オオクニヌシ神)はその神に名前を尋ねましたが
答えませんでした。

そこでオオクニヌシ
従っている諸々の神にその神の名を尋ねましたが
誰も知りませんでした。
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解説

名も無き神がやってきた!
ガガイモの船に乗り、蛾の服を着た小さな神様がやってきました。ガガイモはそういう植物の名前です。ガガイモ科というのがあります。代表的なものにフウセントウワタがあります。ここでいうガガイモがフウセントウワタというわけではありませんけどね。
あと、蛾の皮を剥いで服にしていると。
なかなか斬新な設定です。ちょっと聞いたことが無いほど個性的です。これがこれからオオクニヌシと国づくりをするのかと思うと震えますね。

ところでなぜ、名前が知られていないのでしょうか?
これは出雲が支配していた地域ではない場所からやってきた、という意味なのかもしれませんが、古代では名前を教えるということは、「従う」とか「愛している」という意味があるので答えなかったのかもしれません。また、「話せない人物」が「話せるようになる」というのは日本の神話ではよくあります(出雲風土記の阿遅志貴高日子根神、垂仁天皇の皇子のホムツワケ(=ホムチワケ))。
美保岬
美保岬は島根半島の東端、美保関町の岬です。美保神社があり、ここの祭神はコトシロヌシ・オオクニヌシ、とオオクニヌシの妻の一人の三穂津姫(ミホツヒメ)。スクナヒコナは関係ないのですね。
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